第131話 悪女
あんたがお前じゃなきゃダメなんだ
そう言うからあんたについてきたけれど
中島みゆきの「家出」って歌みたいな気持ちだったんだ
あたい、あんたと所帯が持ちたかったんだ
あの
歌詞いいんだよね、、。
初めての口紅は「ルージュ」みたいに
桜色だったのに
今じゃ、瞬くたんびにバサバサするつけまつ毛にキラキララメのアイシャドウ、長いつけ爪、モリモリの髪の毛
裸すれすれの服を着てさ
桜色のルージュなんて似合う訳ないじゃない
あんた、あたいが何にもなくなっても
「あした」も一緒にいてくれるかい
いつからなだろ、あんたがお金の話しかしなくなったの
あの金持ちの愛人にでもなっときゃ
あんたの借金も返せたんだよね
あ、わかってるって
払えなきゃ海の底なんでしょ
「歌姫」ってどこの海で歌ってるんだろ
もう、仕方ないね
堕ちるとこまで行こうよ 一緒に
終わりの風景をみようよ
わかってるってば
あたいを迎えに来た奴らと行けばいいんでしょ
はい、はい
そう生返事しながら台所に行ったわ
あたい、あんたの土手っ腹に包丁さしてやった
あたいも逝くから
一緒に逝くから
ふふ、「エレーン」みたくあたい彷徨うんだ
きっとそう、、。
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