詩集

かいばつれい

吐露

   「悲哀」

 かっこうの雛に

 蹴落とされた

 卵の哀しさよ


   「朝」

 西に沈むオリオンに

 おやすみと言って


 東から昇る蠍に

 おはようと言う


   「吐露」

 ぼくたちは好きで

 離れているのではない


 酒も 服も

 車も 家も

 恋も 夢も


 離れなければ

 生きて行けないから

 遠ざけているのだ


   「かわりばんこ」

 宇宙に溶け込んでいるぼくを

 地上の兄が呼んでいる

 

 ぼくが地上に戻ると

 今度は兄が

 宇宙に溶け込む


 そのような遊びを

 ぼくたちは幾年も

 続けている


   「養生」

 いまはその羽を休めて


 光の海を翔ぶ


 美しいあなたを

 

 また見れる日を

 

 そっと祈る

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