母と父の好きなもの

筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36

(一)

 父が運転するトラックは、板橋と大田の青果市場で荷物をそれぞれ載せて、さらに豊洲市場に来ていた。

 駐車場に停まったトラックの中で、僕は助手席から運転席に移った。エンジンが止まっていて窓が開かなかったので、ドアを少しだけ開けて様子を覗いてみた。

 荷物を乗せたフォークリフトが走ってやってきて、トラックの荷台に荷物を載せた。

 そうしていると、運河の方から二人の女性が歩いてきた。そのうちに一人はトレーニングパンツに襟元にファーのついたジャンパーを着ている、肩幅の広い女性だった。その隣には、小さな小学生くらいの女の子がいた。


(続く)

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