4-3 不幸って、集まる所に集まって来るモンなんですよ
最後だけ見るとハッピーエンド感満載ですね。
ラスボスと幸せに暮らしてますってなかなか無いですよ?
「でしょ!?(笑) ある意味で言えば成功してると思うんですよー。ハッピーエンドとバッドエンドが一緒くたになったみたいな。でもね、やっぱり納得いかないですよね。本来私達の戦いってOGAとの対決で終わるはずだったみたいなんで。それがなんで宇宙を巡る戦いになったのやら。だからか最後の方は敵も割と適当でしたよー」
ネーミング凄いですもんね。宇宙大魔王とか。(笑)
もう最後の方の語りとかかなり投げやりになってましたし。語るのも辛いみたいな。
「もうツラツラのツラですよー。同じフレーズ繰り返すの苦痛で。でも盛り上げの為には必須かなって思ってね。まぁ厳密に言うと展開そのものがゲンナリだったからなんだけど。
あ、宇宙大魔王って名前はふと浮かんだからだそうで、今はウーチュさんって呼んでます。いい人ですよー、気遣いも上手いし。常々顔が闇に包まれてるんで表情読めないですケド」
まぁ前座でネタ取られてますからね。
もしかしたらエルフィオンの名前も相当苦労したんじゃないでしょうか。
主に神様が。
「そうそう。実はエルフィオンの名前も、必殺技名もみんな神の囁きから出て来たんです。なのか最後の方の必殺技とかはちょっと声詰まらせてましたね。『ファイナルエルフィングエクス、んん……エルフィングプロージョン!』みたいな」
舌噛みそう。(笑)
「実際噛んでましたよー仲間が。必殺技は皆で叫びますからね。更に一人だけエクス付けちゃったりして。私なんですけど」
さすがにそこまで都合よくはいかないんですね。
そういった主人公達って名乗りとか絶対成功するものかと思っていたのですけど。
ご都合主義を徹底しない所はある意味評価高いと思います。
ただ、そういった過度な表現って神様は割と嫌いますから真似は出来ませんね。
完璧主義が結構多いんです。神様って。
「最初は私達も間違えないように頑張ってたんですけどね。最後は無理でした。(笑) もう笑い止まりませんでしたもん。もちろん皆がね」
シリアスなムードも無理展開が続くとギャグに早変わりですか。なんて恐ろしい。
まぁそのお陰でウーチュさんとも和解できたんでしょうね。
今の雰囲気ならなんかこう、何でも受け入れられそうですし。
「ですねー。正直もう滅んでもいいかな、なんて思ってたし。だからウーチュさんも話を真面目に受け止められたんだと思います。『なんか反応おかしくね?』って感じで」
多分ラスボスと会話で解決する世界は早々無いんじゃないでしょうか。
宇宙滅亡規模まで行くと、大体は天元突破の究極バトルで終わりますし。
そうなるともう銀河とか投げ合うものでしょう?
「あーそれわかります。どっちかというと私達は燃料にしてましたね。腰の穴にシュッ、スポッって感じで。まぁその吸い取った銀河とか無駄死にだったんですケド。そんな感じでなんかもう後半は生死の観念とかかなぐり捨ててました。全部消えちゃったんでー」
扱いが雑でウケる。(大笑)
ま、まぁ本来は命の軽視など許される事ではないのですが、そこまで行くと舞台装置として役目を果たした、と思うしかありませんね。
創造神も不本意なりに頑張った結果なのでしょう。これは誰をも責める事のできない失敗談ですから。
なお、レティさんの世界を包んだ【運命力】は基本的にどの世界にも存在します。
ですが適度に使われなければ自然と溢れ、他の世界へ旅立ってしまうでしょう。
いわゆる【ハッヤーリ】転換もこれが主な要因ですね。
【運命力】が離れると途端に楽しくなくなったり、あるいは奮わなかったり。
機を逃したハズレ世界へと変貌してしまう事もあるそうな。
その原因は主に、世界の動かし方、語り方にあるとも言われています。
この力を上手く使えば成功談に持っていけるのかもしれません。
ですがレティさんの世界は奇しくも、その【運命力】の飽和で失敗する事になったのです。
悲しいですね、盛り上げ方は非常に良いと思ったのですけれど。
「薬にも毒にもなるってやつですね。でも私達は薬だと思い込んで飲み過ぎてしまった。結果、毒に変容した事にもかかわらず、気付かぬまま吐かなかったから死んでしまって。気付いた時にはもう遅かったんです」
運命とは得てしてそういうものです。受け入れるしか。
後は神が新たに世界創造してくれる事を祈るしかありませんね。
今度は皆さんがスローライフを送るとか。
「それ、他の世界が滅ぶキッカケになったりしません?(笑)」
ありえそうですね。(笑)
レティさんの世界、未だ超弩級の【運命力】が漂ってますし。
「だめかーまだ消えないかぁ~~~!!」
えぇ、しばらくは聖域から出ない事をお勧めします。
通常空間に戻った瞬間、新たな魔王出てくる可能性が高いので。
今度は非公開魔王とか。
やだ危なそう。
――という訳で今回はここまで。
如何だったでしょうか、【運命力】という力がもたらす影響の恐ろしさは。
例え成功しそうな作品でもこうして食い潰される事があるのだと。
ですので、世界を創る方は決して意図を外さないでください。
たとえ観客が強く望もうとも、自分の意思ですべてを決めてください。
でなければレティさん達のように【運命力】を擦り付けられ、不幸に陥るかもしれませんよ?
「そうならない為にも、明日の思考をエルフィングオーン!!」
以上、司会天使のパプリエルと
「ゲストのレティがお送りしましたぁ~!!」
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