血まみれピエロの闇 ~百貨店の恐怖物語~
O.K
第1話:百貨店のピエロ
夜の閉店間際、私は街の中心に位置する大きな百貨店に立ち寄りました。この時間帯ならば、一般のお客さんは帰宅しているはずで、静かな店内を独り占めできると思ったからです。
入口をくぐり、エレベーターで上の階へと移動しました。私は普段から不思議なものに興味を抱く性格であり、特にオカルトや怪奇現象には強い関心を持っています。この百貨店には昔から、霊的な噂が絶えませんでした。
何か不思議なものを感じながら、私は7階に到着しました。ここには洋服や雑貨が陳列されており、普段は多くのお客さんで賑わっていますが、今はまったく人影がありません。広々とした空間が不気味な沈黙に包まれていました。
興味津々で棚を見て回っていると、どこからともなく子供の笑い声が聞こえました。私は驚きましたが、同時に不気味な予感も抱きました。子供の笑い声が続くまま、私は声の方向へ歩いていきました。
すると、その声の元にたどり着いた先には、大量の血痕が床に広がっていました。恐怖心が湧き上がりましたが、私は怖がるよりもむしろ興奮を覚えました。これはまさに私が求めていた不思議な出来事だったのです。
しかし、その喜びもつかの間でした。突如、私の前に血まみれのピエロが姿を現しました。彼は不気味な笑みを浮かべ、目の前で手を叩きました。その音に合わせて、店内の照明が一斉に消え、真っ暗闇に包まれました。
恐怖に震えながらも、私は足音を立てずにピエロから逃げ出そうとしました。しかし、どこを走っても逃れることができませんでした。彼の笑い声が私の後を追いかけ、狂気的なまでの速度で近づいてくるのです。
私は必死に階段を駆け下り、エレベーターに辿り着きました。しかし、ボタンを押してもエレベーターは動きません。私は恐怖に打ち震えながらも、エレベーターの中でピエロの到来を待つしかありませんでした。
やがて、エレベーターの扉がゆっくりと開き、ピエロが姿を現しました。彼の顔は完全に血まみれで、その目には狂気が宿っているように見えました。私は絶望の中で叫びましたが、彼はただ笑い続けるだけでした。
最後に、彼は私に近づき、鮮血の手を伸ばしてきました。私は彼の手に触れることで終わりを迎えるのだと悟りました。恐怖と絶望に包まれながら、私は彼の手を受け入れる覚悟を決めました。
すると、一瞬だけ白い光が私の周りを包み込みました。目を開けると、私は自宅のベッドに横たわっていました。すべては悪夢だったのです。
しかし、それ以来、私はその百貨店を訪れることができませんでした。あの恐怖の体験が忘れられず、私の心に深い傷を残しているからです。今でも時折、あの血まみれのピエロの笑い声が耳に残り、私を戦慄させます。
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