謎のこむら返り

 このあいだ痔の手術をした。なぜか両足の薬指の下の辺りがこむら返りを起こしやすくなった。

 思うに、人間の足の薬指の下の辺りには、肛門を守ろうとする筋肉がある。普段使う筋肉ではない。肛門が傷つくと、人間は肛門を守るため、本能的にこの筋肉を使おうとする。その結果こむら返りを起こすのではないだろうか。

 ではなぜ足の薬指の下の辺りにそのような筋肉があるのか。これはおそらく人類の進化の過程と密接な関係がある。

 かつて人間の肛門は、両足の薬指の下の辺りに一個ずつあった。それらは進化の過程において徐々にお尻方面へ登っていった。そしておよそ一万年くらい前、お尻の間で合体し、いまの形になった。

 薬指の下の辺りの筋肉は、かつてそこに肛門があったことの証である。その頃の筋肉が未だ機能しており、肛門が傷つくと守ろうとするのだ。

 むろん人間の足が臭いのも、かつて足に肛門があったことの名残りである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る