854話 真・廣瀬無双
「なるほどなるほど…構造自体は難しくないわけだ…やってみますね」
佑那はそう言うと砂山を固め始める。
その様子をわくわくしながら見るジャンヌとちーくん、アペプ。
「地味ですよ?」
「『「なんかすごいいきおいでできるのが面白い!」』です!」
「あ、そう?…っと、ちょっと水使って固めて…」
佑那のブロワ城チャレンジはまだ始まったばかりだ!
「成る程…確かに同じ空間の可能性が高いな」
下手に情報が漏れないようにと念には念を入れ箱庭にミツルギ姉様と廣瀬お姉さんともうお一方を呼んで話し合っている。
…もうお一方はまだ来てないけど。
忙しさとしては洒落にならない方だしなぁ…
「しかしそれが分かったからと言ってどのクラスのプログラムが合致するのかを確認しなければならないのが困りものなんですが…」
「あの時どのようなプログラムなのか聞いておけば…」
ため息を吐く廣瀬お姉さんとミツルギ姉様。
「廣瀬お姉さんは知っていると思ってました」
「一応私の方でも作成していましたが、かなりの試作プログラムを組んでいたので」
「その確認のために呼んだのだね?」
突然の第三者からの声にビクリと反応する廣瀬お姉さんと、
「───ユルフテラ様」
ミツルギ姉様は深々とユルフテラ様に頭を下げる。
「彼女の自壊術式の事、よく知っていたね」
「兄さんから聞いていましたから」
前にダンジョンの下級管理者の見習い女性を捕縛した際、サンプルとして得ていた事は聞いていたし。
術式は世界の在り方の一つだ。それを晒さないための自壊術式だったはずなのに…兄さんに捕まるから解析されるんだ。
───あれぇ!?なんか兄さんが凄く悪い人に思えてきたぞぅ!?
僕の困惑を余所にユルフテラ様が廣瀬お姉さんに自壊術式を見せると「ああ、これですかぁ!」とすぐに分かったようで、
「この術式コードであればすぐに用意出来ます~」
「「えっ?」」
廣瀬お姉さんの周辺に何十、何百もの小さなウインドウが現れる。
「作るのは1時間程度でできますが、これを何に書き込みますか~?」
あっ、そんなにすぐできちゃうのか…しかも書き込めるなんて流石廣瀬お姉さん。
「神聖結晶にお願いします」
「わっかりましたーでは後で神聖結晶を戴ければそれに書き込んじゃいますね」
「「待って待って待って!?」」
ここでミツルギ姉様とユルフテラ様が待ったを掛けた。
「「?」」
「あのね?どれだけ凄い事をしているのか分かっているのかなぁ!?」
「それとそう簡単に神聖結晶は用意出来ないでしょ!?」
ミツルギ姉様とユルフテラ様が交互にそう言ってくるが、僕には何が凄い事なのかがちょっと…あっ、廣瀬お姉さんが凄いのは知ってますよ?
「なれたコードはコピペと一部書き換えですから~。機神様とのプログラム侵略戦争で戦ったときよりは全然ゆっくりなので無理もしてませんよ~?」
「神聖結晶だったら僕が使える分数十個ありますので大丈夫ですよ」
「「駄目だ此奴ら、常識が消失しているっ!?」」
僕も廣瀬お姉さんも一応は常識人枠ですよ!?
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