622話 建国報告配信と、プレゼント


 おはようございます。

 あの後ラヴィ姉さんとリムネーはせお姉様方と打ち合わせをするとのことで神域に残り、僕は家事や持って行けるおやつなどを用意していたら…日付が変わってしまいました。

 そして朝ですよ。出勤前の告知配信です。


「おはようございます。日本時間6時ですが、ヨーロッパ方面や北南アジアは…夜中どころか深夜ですね」


『モーニングコール助かるぅ』

『おはようございます巫女様』

『巫女様の声を聞かないと眠れない』

『現在2時過ぎ。でも銃声が煩いから起きてる』

『いやそれは寝てく…いや危なくて寝れないな!?』

『早朝配信感謝』


 結構視聴者いるんですけど…

「えっと、今日の配信は告知配信です。神国の建国宣言が行われるそうです」


『おお!とうとう巫女にゃんこ教国が!?』

『巫女にゃんこ帝国だろ!?』

『神国巫女にゃんこじゃないの?』

『巫女にゃんこはきっと版権や商標権の絡みで駄目だと思うからゆーちゃん教国』

『ゆーちゃん教国というボムワード』


「僕関係ないですよ!?今日も普通にお仕事行きますし」


『は?』

『お仕事(公務)』

『お仕事(建国宣言)』

『いやいや巫女様こそ神国の長でしょうよ』


 そんなコメントが滝のように流れる。

「いや僕本当に普通にお仕事ですからね!?協会本部で書類整理とかレポート作成とか治療とか解呪とか…あ、でも…これ言って良いのかな?」

『ゆーちゃん細かいことは言っちゃ駄目』

 突然ゆる姉様の声が響いた。

「あ、駄目ですか。じゃあ殆ど言えないなぁ…仕方ないからプレゼント企画をします。限定4名で…箱庭神域の川の水10ミリリットルですが」


『何それ』

『川の水て』

『でも神域でしょ?御利益ありそう』

『欲しい!』


「えっと、直接振り掛ければ妖怪にも効果はあるレベルですし、3倍希釈しても小鬼クラスであれば問題無く祓えるそうです」


『何それ欲しい』

『無茶苦茶反則アイテムですよ!?』

『姫様もっと欲しいです!』

『10リットルくらい欲しい』

『三倍希釈で噴霧していけるのならつよういモンスターに噴霧し続ければいける?』


「えっと、そんなに沢山渡せないのと…普通の人が大量に持っていると高濃度の神気に触れる所謂「神気酔い」になるので…済みません」


『しょぼん巫女様可愛い』

『お口バッテンでしょぼん巫女様』

『ええんやで』

『川の水飲んだらどうなるの?』

『寄生虫に…』

『神気に食い破られる』

『なにそれ怖い』


「飲まないでくださいね?高濃度の神気を体内に受け入れると甚大なダメージを受ける可能性がありますよ」

 念のため使用用途のメモも付けておこう。

「使用上の注意等を書いたメモも付けますので必ず確認お願いします。日本語と英語で記載します」


『それはとても大事』

『感謝』

『有効期限とか色々分かれば焦ることはないし』

『研究する!』


「いや、全員分無いですからね?4名ですから」

 慌てる僕に『分かってます』というコメントがバーっと流れたので安堵する。

 その後20分ほど話をして朝の配信を終えた。


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