黒闇の魔法少女、失望の連続
昔は自分の事を不幸だと思った事は一度もなかった。
家族に恵まれ、友人に恵まれ、常に一緒にいるような親友もできた。
休日には家族で色んなところで遊んだ。お金がなかったから、公園とかだったけどそれがとても楽しかった。
友達や親友とも遊ぶのが楽しかった。
家に呼ばれて、色んなゲームをした。
わたくしの隣には白い髪や目をした大切な双子の妹もちゃんと居た。
幸せの毎日だった⋯⋯そのはずだった。
最初は親友だった。
わたくしは彼女の事を親友だと思っていたのに、彼女は違ったらしい。
彼女は好きな男の子がいて、その人がわたくしに良く話しかけるから利用していただけだったらしい⋯⋯。
その子が下駄箱に
最初は小さな無視から始まった。
無視から始まり、教科書を隠されたり、体操着を汚されたり、鉛筆の芯を折られたり。
だけどまだ、それが親友のやった事だとは思っていなかった。
それはエスカレートした。
身に覚えのないカンニング容疑で先生に呼び出される⋯⋯机の中にカンニングペーパーがあったらしい。
そんなの知らないと言っても信用してくれない。紙はコンピュータの文字であり、字では証明できない。
わたくしにコピーできる金や物資が無い⋯⋯それでも通用しなかった。
わたくしがカンニングしたと言う情報は広まっており、自分の言葉は先生に届かなかった。
結局、ゼロ点になって両親がため息を吐いた。
不正してないと訴えても、誰も信用してくれなかった。シロエだけは違ったけど。
わたくしは先生を信用しなくなった。
問題事を早期解決する事だけ考えて、根本的解決をしようとはしなかった。
いや、子供の言葉だけで判決を下す小学校と言う監獄だったからしかたないのかもしれない。
全員が口裏を合わせていた。
わたくしがいじめをしている噂が立った。もちろんしてないが、人数には負けた。
──あぁ、もう小学校に行きたくない。
わたくしを地獄に落とした男の子さえ、わたくしに幻滅した様子を見せて、親友に鼻の下を伸ばしていた。
あぁ、死ねば良いのに。
友達も全員敵になっていた。
なんでだろうか。
わたくしの言葉は誰にも届かないのに、周りの言葉は届く。
数の前では真実は嘘に負けるらしい。あぁ、死ねば良いのに。
シロエにヘイトが向かないように、わたくしは耐えた。耐えて生き残った。
わたくしは問題児として注目を浴びて、両親も徐々に失望していったのを感じた。
そしてついに、わたくしは家族に裏切られた。
ギャンブル、風俗、不倫、色々なところで大金を使ったせいで借金で首が回らなくなった。
結果、わたくしは売られる事になる。
海外の富豪の物好きに売られるらしい。
わたくしは全てを捨てて逃げ出した。
シロエさえ放置して。
生きる活力が無く、既にシロエの事も考えられなくなったわたくしは世界に失望し、直接入れるダンジョンに侵入した。
ギルドは無理だと思ったから。
すると、不思議な程に力が湧き上がった。魔法少女になったらしい。
犯罪者を中心に闇に沈め、金を稼いでいた。悪い奴から奪って何が悪いのか。
その野蛮な時期にシロエがいじめられている事を知った。
わたくしがいなくなった事により、ヘイトがシロエに向いたらしい。
暴行の痕があるので、
だから救った。同じ道に走った。
わたくし達は復讐した。当然の権利でしょう?
「ふふふ」
まずはわたくし達を捨てようとしたゴミを沈めた。
次に親友だと思っていたゴミを沈め、
最後に学校全てを沈めた。建物は無理だったので順番に中身を沈めた。
「シロエ。わたくし達はわたくし達だけで生き延びるわよ」
「もちろんですわお姉様」
その時はまだレベル1、そしてミドリお姉様に出会った。
お姉様は凄かった。
わたくし達が疑心暗鬼で何回も攻撃をして、殺そうとしたのにめげずに接してくれた。
何回も会いに来て、ご飯をくれた。わたくし達に手を汚させようとはしなかった。
悪を成敗する。状況証拠や数だけの言葉では判断せず、自身で調べて自分で判断を下すお姉様にわたくしは憧れた。
いつの間にか一緒に行動するようになり、ミドリお姉様とシロエと探索を繰り返していた。
シルバーお姉様などの新たな仲間も増えて、人生が充実して来た。
レベルが上がり、天使様に直接会い、わたくし達は役目のために分裂した。
わたくしの力は天使様に授けてられたモノ。天使様のおかげで、わたくしの人生は明るいのだ。
⋯⋯なのに、ミドリお姉様は天使様の意見に背いた。
裏切られた。裏切り者だ。
天使様に任命され、わたくしはミドリお姉様を、シロエはアカツキを処分しに向かった。
なのに生きているのよね。この女。
まぁ、妹ができなかったのならわたくしが殺るだけですわ。
それが姉ですからね。
放置してしまった分、わたくしはシロエのために頑張らなければならないのだ。
「わたくしは誰も、もう信用しない」
⋯⋯抵抗してよ。
なんでアカツキさんは殺さない攻撃には抵抗しないのさ。死ぬかもしれないのに。
もうダメだ。自分がおかしくなりそう。
ミドリお姉様を殺せない理由が図星だったから。
だから終わらせいようと思い、傀儡を召喚した。これで終わらせる。
「──クロエさんを信用する──」
その言葉が耳に響いて、わたくしの命令に歪みが入った。
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