薄明より来たる《第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト 二十首連作部門》

物理鍵.

3:50

ゆるゆると夜を押し上げ照らすのが人の営みと言うのだろうか


夜明けには音があるらし 遠く深く 眠れぬ君を揺らす響きが


誰からも求められてすらいないわたしはわたしのためにいるのだ


名前がほしい 明け方の暗がりで自分で自分を呼べる名前が


夜明け前をカメラが一枚切り取った 我々は皆あの蒼に還る

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