9 内と外からの攻撃3


「このまま押し切れ!」


 ジグが俺に向かって叫んだ。


「了解だ!」


 俺は燐光竜帝剣を振るう。


 リサがそれにタイミングを合わせて【魔弾】を放つ。

 空間がうねり、俺たちに向かって衝撃波を放った。


「させません――」


 が、これをフローラが【防壁】で弾き返す。


 再生する空間の動きを、ジグが【停止】させる。


 再生が止まっている間に、俺とリサが攻撃を連発する。

 四人の『天の遺産』持ちによる怒涛のコンビネーション攻撃だ。


 そして――。

 ついに前方の空間に大きな亀裂が走り、次の瞬間、爆音とともに弾けた。




 視界に、青い空と白い雲が飛びこんできた。


「ここは――」


 どうやら脱出できたらしい。


「レイン!」


 バーナードさんたちが駆け寄ってきた。


「大丈夫だったのか? 心配したぞ」

「ええ、なんとか……協力してもらって、ありがとうございました」

「仲間だからな。当たり前だ」


 ニヤリと笑うバーナードさん。


 その後ろでラスたちも微笑んでいる。

 ミラベルだけは俺をジッと見つめていた。


「……もしかして、また報酬を要求するとか?」

「……無事で、よかった」


 予想に反して、ミラベルが告げたのはその一言のみ。

 一瞬だけ泣きそうな表情を浮かべる。


 あれ?

 もしかして、本気で心配されてた――?


「ありがとう、ミラベルも。助かったよ」

「じゃあ、報酬」


 すぐに元の表情に戻ったミラベルが、右手を差し出した。


「結局、オチはそれかよ!?」




 そして、三十分ほどして――。


「今回はここで退かせてもらう。また妙な空間に閉じこめられたくはないからな」


 ジグが俺をにらんだ。


「対策を練ったら、また君に挑む」

「いや、もう別にいいだろ。俺たち共闘したんだし、戦友じゃないか」

「な、何が戦友だ、ふざけるな!」


 ジグが顔を真っ赤にして叫んだ。


「あ、ジグがデレてる」

「ええ、デレてますね」

「分かりやすい」

「ですね」

「二人ともうるさいぞ」


 ジグは顔をますます赤くする。


 うん、俺から見ても分かる。

 こいつ絶対デレてる……。


 出会い方が違えば、けっこういい友だちになれそうなのにな。


 俺はそんな感想を抱いてしまった。

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