11 ディータとシリル
「なるほど……やはり『付与』の『天の遺産』か」
鋭い視線が俺を見つめた。
「厄介な力ですね、ディータ」
「そうだな、シリル。だが、こちらは『強化』『破壊』『移動』の三種の『天の遺産』がある。勝つのは私たちだ」
白いドレスの美少女シリルが告げ、黒い衣装の美女ディータが答える。
「とりあえず、君を無力化させてもらおうか、レイン・ガーランド」
ディータが俺をにらんだ。
「君さえ抑えれば、私たちの勝利は揺るがないものになる」
「ちょっと待ってよ。あたしだっているわ!」
「あたしも!」
リリィとマルチナが俺の左右に構えた。
二人とも地面に突き立てた剣を回収済みだ。
リリィが『
「『天の遺産』を持たない者が、この戦いに立ち入れると思うか?」
ディータがまっすぐに手を伸ばした。
「こいつ……!?」
ぞくり、と背筋が粟立った。
何かが違う。
今までの敵とは何かが――。
「二人とも俺の後ろに!」
とっさに叫び、前に出る俺。
「【砕けろ】!」
ディータが告げる。
刹那――。
ぐにゃり――っ!
前方の空間が、歪んだ。
「なんだ――!?」
怪訝に思った次の瞬間、全身にすさまじい重圧が訪れた。
「うっ……ぐううううっ……!?」
みし、みし、と何かがきしむ音。
そして、
ばきっ……!
嫌な音を立てて、俺の胸元から何かが転がり落ちた。
持ち主を守ってくれる防護効果がある護符。
+10000の強化ポイントを注ぎこんだ加護アイテムである。
「そんな!? アイテムが砕けた……!?」
「なんだと……アイテムしか砕けなかった……!?」
俺とディータは同時に驚きの声を上げた。
「私の【万物破壊】にここまで耐えるなんて……君の【強化付与】も相当のレベルだな」
「お前の力……これが……」
分かってきたぞ。
こいつも俺と同じ『天の遺産』持ち。
そしてその力は、俺が『チート級の付与魔術』であるのに対し、彼女は『破壊』なんだ。
強化ポイントを+10000注いだ加護アイテムすら破壊するなんて……普通の鎧や盾なんかじゃ、一瞬で壊されるだろう。
あるいは武器も――。
「こいつ、今までの敵とは違うぞ――」
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