今宵の愛は必ず叶う

生永祥

今宵の愛は必ず叶う(7首1作品・短歌集)

今宵の愛は必ず叶う

 LINE見て幾度いくど指折り溜め息を付く女学生 織姫に似て



 理論上光の速さで会えぬ星のあいだを埋める天の川



 彦星と織姫を裂く雨粒に稚児ちご袖濡そでぬ見目みめいとおかし



 短冊を書かず娘を見る父はあふれるアガぺ 背中で語る



 フィルムにおさめた星のまたたきは一万光年昨日の、昨日。



「一年に一度」と呼ぶのが相応ふさわしい。そんな夜です。そんな恋です。



 短冊に軽くキスするあの二人 今宵の愛は必ず叶う

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