禁断の日の呪い

O.K

第1話:禁断の日の恐怖

その村は、古くから「禁断の日」と呼ばれる日を守ってきた。毎年、その日になると村人たちは恐怖に震え、家の中にこもり、ドアも窓も開けることなく過ごす。外に出てはいけない、そう村の掟に書かれていた。


禁断の日が迫る度に村は不気味な雰囲気に包まれ、人々の心は怯えに満ちていた。なぜ外に出てはいけないのか、なぜその日だけが特別なのか、村の中では様々な噂が流れていた。誰もがその日の恐ろしさを感じながらも、過去の歴史が示すように、その掟を破った者は決して良い結果を迎えることはなかった。


ある年の禁断の日、村の少女・ミアは強い好奇心に駆られた。村人たちが隠そうとする何かがあるのではないかと考え、禁断の日に外に出てみようと心に決めた。ドアを静かに開け、外の世界へと足を踏み出した瞬間、彼女の身体は一瞬にして凍りついた。


村の外は、まるで死の世界のように荒廃していた。風は冷たく、樹木は朽ち果て、地面は枯れていた。ミアはぞっとするほどの絶望感に包まれ、すぐにでも家に戻りたいと思ったが、彼女の体はまったく動かなかった。村の掟を破った罰として、彼女はこのまま永遠に凍りついたままとなるのだ。


村人たちはミアの失踪に気づき、探しに出るが、村を出た者は同じ運命を辿ることになる。禁断の日を破った者たちは次々と凍りつき、その姿は村の中における戒めとなった。


以降、村人たちは一層禁断の日を厳守するようになった。恐怖心はさらに強まり、禁断の日の前には家々のドアには重い鎖が掛けられ、窓は厚い布で覆われた。外に出ることは絶対に許されず、掟を守ることが生き残る唯一の方法とされた。


そして、禁断の日がまたやってきた。村は静寂に包まれ、村人たちは緊張した表情で家の中にこもった。その中にはミアの姿もあった。彼女の凍りついた体が、禁断の日の恐ろしさを物語っていた。


掟を破り、外に出ることができる者はいなかった。村はいつまでもその闇に囚われたまま、人々は恐怖の中で生き続けることを余儀なくされた。禁断の日は永遠に続き、その村の運命も永遠の闇に包まれたのである。


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