愛の白備え
積雪が舞い踊る北陸の地に、上杉軍の旗が風に語りかけていました。その白銀の鎧と純白の装いの者、その名を直江兼続と言い、彼の頭上には「愛」の象徴を刻んだ兜が輝いていました。そして、彼の視線の先には、威厳をまとい、堂々と前進する武将、上杉景勝の姿がありました。さらに、その側には百戦錬磨の戦士の証である壮麗な装いをした者がいました。それが鬼小島弥太郎でした。
越後と東北を連ねる我々は、織田軍が中国方面に兵力を割いていたという情報を掴み、これをチャンスと捉えていました。直江兼続は、眼前に広がる柴田勝家の城を見つめ、その深淵を覗き込みます。
北陸地方では、上杉軍が如く揺り葉のごとく進軍していました。一方、柴田勝家は直江兼続の策に引きずり出され、白兵戦で打ちのめされます。上杉軍は、敵地をまるで風が吹くように素通りしようとしますが、高慢な柴田勝家は城から軍勢を引き連れて反撃を誓います。
柴田勝家:「この上杉め!城を無視して通りすぎようとは、許せん!」
直江兼続は微笑みを浮かべながら、言葉を紡ぎます。
直江兼続:「柴田は確実にここへ来るでしょう」
上杉景勝:「ふむ」
直江兼続:「だが、我らの姿を見ることは叶わない」
上杉景勝:「ふむ」
上杉景勝は、表情を変えずに直江の報告を聞く。そして、いつも言葉数は少ないようです。景勝は直江に多くを任せ、直江が殆どの事を仕切っているにも関わらず、何とも言えない威厳と存在感が上杉景勝にはありました。総大将とは、このようなオーラを纏った存在なのかもしれません。
直江兼続は一部の精鋭部隊を待機させ、余剰部隊は山中に伏兵として配置しました。この精鋭部隊は白備えと称され、その雪白の姿は、寒空に舞う雪と一体化していました。
柴田勝家が率いる柴田軍は、勢いよく城から躍り出て上杉軍に向かいます。しかし、彼らは直江の白備えを探知することができず、不意に襲撃されます。そして、直江の合図により伏兵が瞬く間に柴田軍を包囲します。
直江兼続:「柴田勝家よ、お前の傲慢がお前自身の破滅を招くのだ。」
柴田軍は兼続の巧妙な戦術に翻弄され、苦境に立たされます。その兵士たちは死に物狂いで抵抗しますが、上杉軍の猛攻により次々と敗走する者が出てきます。
柴田勝家は混乱し、戦局の悪化に焦燥を感じつつも立ち向かいます。
柴田勝家:「このままでは城も奪われてしまう…!」
兼続は柴田勝家の苦境を目の当たりにし、冷静に指示を出します。
直江兼続:「柴田勝家を捕らえろ!彼の命を奪えば柴田軍は崩れ落ちる!」
鬼小島弥太郎:「これで詰みだな」
最終局面で、柴田軍に強烈な一撃を加えたのは小島隊でした。上杉軍の部将たちも次々と柴田勝家に襲いかかり、彼に迫っていきます。しかし、柴田勝家は全ての恐怖を捨て去って反撃に転じます。
柴田勝家:「この命、奪えるものなら奪ってみろ!」
しかし、柴田勝家の奮闘も虚しく、上杉軍の部将たちによって捕らえられてしまいます。柴田軍は敢然と戦い続けますが、指揮官を失ったことで戦意が萎え、敗走する者が増えていきます。
兼続は柴田勝家を捕らえた勝利を謳歌し、上杉軍を指揮して進撃を続けます。
直江兼続:「柴田勝家、お前の傲慢が果ての日だ。北陸は我が物となる!」
柴田軍は壊滅的な打撃を受け、散り散りになりながらも必死に逃げ延びようとします。一方、兼続は勝利を悦びながら、追撃の命令を下します。
直江兼続:「追撃せよ!一人たりとも逃がすな!」
直江は厳しい態度で指揮をしましたが、無抵抗の相手には優しく接したとされます。
直江兼続:「捕虜には愛をもって接し、民には慈悲をもって接せよ」
なお、この直江の「愛」の印については、愛宕から由来しているとされていますが、次第に彼はこれを「愛」や「慈悲」という意味で解釈するようになったと伝えられています。
これは先代の上杉謙信が義の将だが、直江兼続は愛の将である、と後代の歴史家からは評されました。
ただし、これは仮想空間における設定です。
柴田軍は苦境に立たされながらも、生き延びるために奮闘します。果たして、柴田勝家とその軍勢はこの苦難を乗り越えることができるのか、そして北陸の行方は如何になるのか。それは未来の歴史が語るべきこと、ただ、勇敢な戦士たちの闘志は、戦場を超えて語り継がれるでしょう。
- 夢想瑞歌 -
「北陸に白備えの雪が舞い
愛の将ぞ 直江兼続」
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