あの世からの手紙(day27 渡し守)

嫌いになったと唐突に別れた恋人がいた。


諦めれなかったが遠い所へ移住したらしく連絡手段は一つ。


霧の濃い日に大河の畔の渡し守に手紙を託すこと。


数年続けたが今回で最後だ。


「お届け物です」


対岸に白装束の女性。


返書の代わりに白いバラを渡す。


「私の役目も終わり」


一粒の涙を残し霧と共に消えた。

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