File.8 被害者視点

私はいつも通りの時間に出勤をしていた…私が勤めている会社はブラック企業ではないものの、残業も比較的多く上層部も頭の凝り固まったジジイやババアが多い…


出勤している最中に私はスマホでニュースや高校時代の友達とのラインをチェックしている。しかし、私がこの時間帯の電車に乗っていると痴漢にあうのだ…一度目は数回かすっただけだったから偶然かな?と思っていたが、最近は尻を何度も触ってくるので流石に我慢の限界だった…


今日こそは痴漢をしてくる人を捕まえて警察に突き出してやる!!そう思い、あえていつも電車で立っているところから少しだけ端の方に寄ってみた…前まで堂々と真ん中でやられていたのに誰も気づかなかったなんて…


私は痴漢をしてくる人を待った…ここで私が捕まえないと他の人にも被害が出てしまうかもしれない…そう考えれば私のこの行いも正当化される気がした…というか痴漢をしてくるゴミ男がいけないのだ…


「…ふぅ」


ここで電車の扉が開き何人もの人が出入りする…そして扉が閉まり走り出して次の駅に向かう途中だった…電車が緊急停止し私の後ろにいた犯罪者が倒れ込んできた…今しかない!!


「誰か助けて下さい!!この人痴漢です!!」


私は後ろにいた人を指差す…しかしここで私は疑問を抱いた…《本当にこの人なのだろうか?》と…


痴漢をしてくる人間はいつも後ろからだったためにこの人を指してしまったが…もしかするとさっきの緊急停止をしてきた時にたまたま倒れ込んできてしまっただけなのかもしれない…もしそうなら…私はいったいどうなるの?


周囲にいる男性が私を引き離し、一人の男性が恐らく高校生と思われる男の子を取り押さえた…その男の子は必死に無罪を主張していたが、私も今まで痴漢をされ続けていたためにここで逮捕してもらえば、私はもう痴漢なんかされないと考えた…


私の目の前では一人の男性が高校生の個人情報を勝手にネットに拡散すると言っている…まぁ私のことを痴漢したんだからそれくらいは覚悟できているよね?


その後私は警察の人や駅員の人から事情聴取された…会社には痴漢にあい、その犯人を捕まえて警察といまお話をしていると言ったら、有給扱いしてくれた…嬉しい!!


私のことを痴漢した高校生は必死に無罪を主張しているみたいだけど…私の衣服の繊維検査で引っかかったみたい…でも本当にこの人であっているのかな…私のことを触ってたのはもっとこう…ごつい手というか…あんな華奢な手じゃないと思うような…


警察の人も私の意見ばっかり聞いている気がするし…それに繊維検査をしたならなんかこう…もっと結果見たいのを開示してくれても良いんじゃない?だって私被害者だよ?


警察の人が貴方以外に二人ほど触った人がいますが…思い浮かびますか?と言われてすごい困惑したけど恐らく一人分はあの男子高校生のだろうし…そう考えるとやっぱり彼氏なのかな…


私はこの前、付き合っていたにプロポーズされ、結婚することになったのだ…そのせいか、ちょっと浮かれていたことも有り、なにかと接触していた気がする…



その事を伝えると警察は納得したような表情を見せた…そしてそのまま男子高校生はどこかに連れて行かれてしまった…おそらく警察署だろうな…私に痴漢したこと絶対に後悔させてやる…


その後は私は警察やら友人やらの指示にしたがってただただ動くだけの人形のようになってしまった…それに今更気づいたことだがあの時男子高校生を取り押さえていたのは大学を退学させられた結構やばい先輩だったらしい…なんでも暴力事件を数十件起こして警察のお世話になったことが多く会ったかららしいけど…実際のところはあんまりわからないな…


「取り敢えずこれで一件落着だね…仕事も滞っちゃってるし頑張らないと…」


私はこの時痴漢をしてくる人はもういないと思っていた…しかし…


『なんで痴漢してくる人がいるのよ…どうなっているの!?』


あれで痴漢をしてきた人は逮捕されたし、周囲の人も痴漢をすればああなるということがわかったはずだ…でもそれならなんで!?


しかもこの感触は…いつものだ…つまりあの時の高校生は…


って…こと?いやそんな訳無い…」


私は大きなミスをしてしまったのかもしれない…それどころか彼に一生言えない傷を与えてしまったのかもしれない…でもこんな事がバレたら私の幸せが無くなっちゃう…


「これからは出勤時間を変えればいいか…痴漢してくる人もこれで大丈夫だろうし…」


私は出勤時間を大きく変更した…すると痴漢には巻き込まれなくなったのだ…さらにあの男子高校生の親から500万もの大金が送られてきたのだ…こんな大金初めて見た…


しかし、心残りが一つだけある…もし倒れてきた際に私に一瞬触れてしまっただけならそういう形で検査結果が出るんじゃないの?と…でも…まぁ過ぎたことだし別にいいか…


「どうせ冤罪だってバレないなら使っちゃうか!!」


私はそれから500万を使って車を新しくし、テレビやパソコン…電化製品を全て買い換えて最新のものにした…


「もう5万円くらいしか無いじゃん…どうしよう…それならゲームでも久しぶりにしてみようかな…」


ここで私の金銭感覚が完全に狂ってしまった…私は久しぶりにしたゲームにどっぷりとハマり、高額な課金をするようになってしまった…




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見てくれてありがとうございます!!


今回は家族視点でしたが、次回は「主人公と家族の会話」みたいな感じで行こうと思います!!


これからも応援よろしくお願いします!!


週間ランキング10位以内を目標に頑張っていますので、星やフォローをしてくれると嬉しいです!!皆さんからの応援コメントも楽しみにしています!!


今日も昼に上げますよ!!

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