第480話 背高泡立草 🌾



 ある小説に、周囲の目ばかり気にしているうちに気づけば髪に霜を置いていた女性の話が登場しますが、強気に見えて意外にくよくよしがちなヨウコさん、その老女の気持ちがわからないではありません。自分はあのひとにどう思われているんだろう。そんなことを考えてもいいことはひとつもないのに、ふと気づけばくよくよと……。


 そんなときの朝散歩で、野辺の道端に雄々しく黄色い花をつけている背高泡立草に引き寄せられました。長い鎖国を解いてから数十年後の明治末期に日本へもたらされたそうですが、以来、帰化植物とか外来種とか謗られっぱなし、思えば気の毒な運命の野草で、こんなきらわれものを季語に採り入れた先人に敬意を表したくなります。


 背高泡立草でも背低泡立草(笑)でも日本古来種となんら変わりなく、天から与えられた環境で一所懸命に生きるしかないのですし、たまたま住み着いた土地の人間にどう思われようが思われまいが、そこに繁茂するしかないわけですし、ゆえなくありがたがられる日本種にしても他国へ渡ればまぎれもない外来種なわけですし。ねえ。




         ⚓🛳️  ⚓🛳️  ⚓🛳️  ⚓🛳️




※狭庭の秋の剪定を行いました。一番の大物は繁茂し過ぎたブッドレアですが、縦横に延びる枝葉の大方をカットしたら、すっきりと風通しのいい空間が生まれました。わずか十センチの苗木が手に余るほど成長するとは思ってもみませんでしたが(笑)紅色の花房は白や黄やオレンジの蝶たちの憩いの場、また来春よろしくね~。(*'▽')




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