第183話 報じられない被災地のみなさんへの思い 🪜



 穏やかに晴れ渡った元旦も夕方近いころ、とつぜん耳障りな音が鳴り響きました。最近はうっかり忘れかけていましたが、スマホが知らせているのは緊急地震速報で、テレビでは能登半島で震度7の直下型発生を告げ、津波からの避難を叫んでいます。


 十三年前の恐怖がよみがえり、わなわな震えていると、空の彼方からブルルルルと聴き慣れた音が近づいて来ました。あ、災害ヘリの出動だ!! 窓から見ると、基地を飛び立った機影が真っ直ぐ西北方向に飛んで行きます。ありがたいねありがたいね。



      🚁



 東日本大震災の慄きも去らない三か月後、まさかの震度6強に見舞われるとは!! それもわずか数キロ四方に限られた直下型、しかも震源地の真上に当社の社屋が位置するという……ズッシ~ン!! 巨人の群れが全力で地下から突き上げたような衝撃。


 鉄筋入りの建物は壁にヒビが入っただけで済みましたが、内部はもう滅茶苦茶で、デスクは横並びのまま窓まで移動、四方の書棚はことごとく倒される、天井の照明が落下して配線がチカチカする、倉庫の商品も放り出されて三千万相当が駄目になる。


 そんな状態でしたが、あまりに狭い範囲だったためか公私どこからも支援がなく、報じ甲斐のある(*_*;大きな被災地ばかりに記者を投入するマスコミからも一顧だにされず、各地から駆けつけてくださった顧客&取引先のご温情だけが頼り……。💧




 🔊🪩  🔊🪩  🔊🪩  🔊🪩  🔊🪩  🔊🪩  🔊🪩  🔊🪩




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る