第47話 名句の響き 🖊️
歳時記の例句からこれは理屈なしに好きと感じた句を拾っていくと、俳句を始めたころとは選ぶ基準が異なって来ている事実に気づいて、あらためて感懐を深めます。
で、システム手帳に書き写しながらさらに気づくのは、評価の定まった有名な先達の名句より、ほんの一句二句がまぐれに採られている、名もない俳人の句の斬新さ。
当たり前と思って見過ごしていた観察眼(犬小屋には扉がないなど)、いうところの「発見」にはっとするのですが、それは五年目の目で、この先はまた別かも……。
👘
ただ、何年を経てもブレずに感動する句がたしかにあります。虚子に疎まれた杉田久女がそれで、小説に書かせていただいた身贔屓を差し引いても、いいものはいい。
「花衣ぬぐや纏る紐いろいろ」「風に落つ楊貴妃桜房のまま」「東風吹くや耳現はるるうなゐ髪」「足袋つぐやノラともならず教師妻」など、決まり過ぎて怖いくらい。
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もうひとつの驚きは、所属する結社の先代主宰(ロングセラーの入門書の著者)を上まわる数の当代主宰の句が重用されていること、それもすべて斬新な句風の。🍃
初心の身でその若き主宰に採っていただいた五年間の拙句たちを思い起こすとなんとも恐縮至極、近くに名医なしを地で行くような無分別に恥じ入ったしだい。(^-^;
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