第18話 無礼にてござ候 👘




 なぜか知りませんが一頁も読まないうちにうんざりする文章、ときどきあります。

 なぜと書きましたが、理由は明々白々、なんとも説教くさい上から目線だからで。


 本は、なにかを教わりたくて読むにあらず、自発的な示唆や啓発を得たいがゆえの作業なのに、圧の強い筆致には閉じた本をバッグに仕舞うのも拒否したくなります。




      🤡




 こういうタイプの人はネットのコメントでも、そういう性癖が出るんだろうね。

 なんにでも口を出したがり、的はずれな感想で他者の作品を貶めるんだろうね。


 作者が精魂こめて紡いだ繭玉に平気で冷水を浴びせかける無礼を自分に赦す人。

 言うまでもないけど、まわりまわって自身に返って来るブーメランだよ、それ。




      👖




 さっきからとなりの声高な会話が耳障りで仕方がない、だれかに聞かせたいの?

 さりげなく見れば、赤いハーフパンツの中年男&全身黒ずくめの年上女の組合せ。


 ねっとりした口調で「社長、社長」しきりに持ち上げる男の媚び、ぞっとするよ。

 そんなに姿勢がわるいのに、よくもまあ有酸素運動がどうのこうの言えるよね~。


 反対側の席では晩秋色のチェックの膝掛を肩に巻いた中年女性が本を読んでいる。

「カフェラテを追加で」あ、そう……スミマセンねえ、モーニングで居座っていて。




      🐟




 脈絡もなく、写真で知っている林芙美子さんの、なんとも言えない表情が浮かぶ。

「おまえの書くものなんか大したものじゃない」そんな夫を尊敬するなんて、無理。




  。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。




 以上は熱帯夜明けのカフェでの心境ですが、エアコンの修理がやっと適ったいまは八百屋で西日に萎れていた笊の青菜を氷水につけたくらい、しゃっきりとなり……。


 この快適さを知ってみれば、冷房なしで極端な猛暑に堪えて来た日々はまさに拷問そのもので(笑)上記のごとき心理状態に陥ったのもむべなるかな。やれやれ。💦




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