第8話

新たにフェンリルが村に住みつくようになった。

フェンリルが来てから魔物や魔獣が来なくなった。


「番犬の仕事をしてくれて助かるな~。」



やっぱり、自分が育てた作物を魔物に食われると嫌なもんだ。


それにしても………



「おい。フェンリルどんだけ食うんだよ……。」


「……………」


モグモグ。モグモグ。



「なんか言えよ!!」


「ゴクッ。いくらでも食えるの~」


まだ、食う気かよ。


「村の食べ物がなくなっちまうからもう終わりだ!」


「あの~。」


「ステイどうした?」


どうしたんだろう?顔が赤い?


「すみません!!私も、最後に一杯だけおかわりさせて下さい!」


カァー。顔がどんどん赤くなっていった。


「クスッ。ステイは、可愛いな。いいよ!はい、どうぞ!」


「ありがとうございます!」


「何故だ!妾にはおかわりなしで、ステイだけおかわりが許される!」


「お前が食い過ぎだからだ!」


このフェンリルは、倉庫に置いておいた非常食分まで食べてしまった。


あと、数ヶ月で冬にはいるというのに保存食を全て無くなってしまった。


「仕方がないから、フェンリルに沢山の食料を取ってきてもらおうか!」


「妾に働かせるつもりか!この偉大なフェンリル様に!」


「イラッ。フェンリル…俺に殺されたいのか?」


俺が睨み付けると、フェンリルは俺に敬礼をし、すぐさま森に向かったのだった。



「それにしても………肉に関してはお酒が飲みたくなるよなぁ~。」


俺の言葉に反応したステイは、村でお酒を作りましょう!といった。


「お酒を作れれば最高じゃないですか~うふふふ。」


「ステイもお酒が好きなんだな……。俺もだけど。」


「今、この村にある奴で作れるのは~。ワインですかね?」


どうやら、ブドウでワインが作れるようだ。


「ジーク、樽の準備をお願いね!私はブドウの準備をするから!」


「わかった!!」


そして、俺たちはお酒作りを始めた。









村から数キロ離れた森の中


「ここに本当に、……あるのか?」


「もちろんだ!はこの森にしかんだから」



ブドウは、死の森の奥にしかなく市場にあるのは、ジークが手に入れたものだった。


ジークの知らない所では、ジークが冒険者を引退したという大事件により市場に人が押し寄せ、物価が高騰してしまったのだった。

今では、ジークが持ってきた食物は全てに幻の~とか、伝説の~などと囁かれていた。



「ロイ、いくら探してもないではないか!!このままだと、ワシらは魔獣の餌だぞ!」


「うるさいぞ!テイが俺の言うことを聞かないであっちこっち行くからだろう!」


〈ワオーーーーン〉


「「!!!!!」」


「い、今のは何だ!?」


「ロイ、向こうに何かあるぞ!」


「何だあれは?」


「「取り敢えず、あの声から逃げよう。」」










「ジーク、フェンリル様が出てからかなり時間がかかってますけど、戻ってきませんね……。」


(森にいる魔獣とか殲滅しちゃいそう~)


「大丈夫だろ?」


〈ワオーーーーン〉


「フェンリル様の声ですね!?」


「はぁー。番犬め。」


「どうしたんですか?」


「狩りすぎたから運べないってさ。」


「そんなに、狩ったんですか…。」


「ちょっと、行ってくるな。」



俺は、急いでフェンリルの場所に向かった。








「ロイ!あれは、家か?こんな場所に家があるぞ!」


「テイ!あそこに行ってみよう!行った方がいいと何かがワシにいっておる!」


「「行くぞ!」」










俺が、村に着くと二人のドワーフがお酒を作っていた。


お酒が飲めるかな?

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