　学園七不思議をたずねて：第一校舎の中庭

　寺桜院学園の七不思議は、これといった理由や根拠がないものがほとんどです。でも一つだけ、本当に不思議なことがあります。それが第一校舎の中庭です。

――第一校舎の閉鎖されている中庭には長い髪の女の幽霊が出る

　そんな話がずっと昔から語り継がれているのですが、女の人の幽霊が出るかどうかはともかく、この中庭の存在が学園の大きな謎となっています。

　学園で一番古い建物である第一校舎の形は、真上から見ると正方形。この正方形の外周に沿って教室が並び、その内側に廊下が走っています。しかし紙に書いてみるとよくわかるでしょう、構造的には廊下より内側にも空間が存在しています。そうでなければおかしいのです。なのに第一校舎の廊下には内側を見る窓が存在せず、内側の空間に入る出入り口もありません。

　過去の新聞部員たちもこの件で何度も学園側に説明を申し込んだのですが、明確な回答があった試しがありません。これは学園の運営を批判している訳ではなく、純粋に疑問なのです。第一校舎の内側にはいったい何があるのでしょう。本当に閉鎖された中庭があるのでしょうか。いつかこの謎が解けることを、学園の生徒の一人として祈るばかりです。

（寺桜院タイムズ編集部）