第2話 呼び名
八百屋を八百屋さんと言ったり、クリーニング店をクリーニング屋さんと呼ぶのは、まあ普通だ。便宜的なもので、そこに意味などない。
年若き友人にケンタッキー・フライド・チキンを「ケンタッキー屋さん」と言う人がいる。
彼と友情を深めていく過程で、私は彼の家に訪問することになったのだが、駅から家までの道を説明する最中、この単語が飛び出た。
私はたちまち彼に親しみを覚えた。
わざとらしくなく、ネイティブの感じで使いこなしていたからだ。
「おいなりさん」と同じくらい温かみを感じる使い方だ。
彼が大家さんのことを「大家」と呼びつけているのを聞いて、思わずその成長ぶりを心配してしまったのは、だいぶ後の話である。
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