第29話:昇級決定
僕のB級冒険者への昇級が決定した。
桜、葵、ルナのC級冒険者への昇級も決定した。
深雪お姉さんと月奈お姉さんのA級冒険者への昇級は見送られた。
おばあちゃんが、2人のA級冒険者への昇級は難しいと言っていた。
あまり急激に昇級すると、実戦経験がない分、危険だとも言っていた。
だから僕から動画投稿で何か言ったりはしない。
深雪お姉さんと月奈お姉さんも何も言わなかった。
2人も自分たちの実力は分かっているのだろう。
急に僕たちの昇級が決定してからも、毎日地道にダンジョンに潜っている。
お父さんとお母さんからは全く連絡がない。
ダンジョンに潜ったら連絡がないのが普通だから、心配はしていない。
ただ、一緒に世界を巡れないのがさみしいだけ。
あとは、日本ダンジョン協会の騒ぎが収まらない。
協会本部の幹部たちは、全員が逮捕された。
協会に天下りや出向で来ていた人も全員捕まった。
その影響で、官庁にも警察と検察の取り調べが入ったが、その警察庁と検察庁の犯罪が暴露されてしまい、大変な事になっている。
捜査をする人たちが、調べなければいけない容疑者からお金をもらっていたのだから、大問題になるのは当然だった。
入札制になって、テレビの放映権を手に入れたばかりの新興テレビ局が、放映権を取り返したい新聞社と競うように官僚を非難している。
非難している新聞社自体が、先に不正で放映権を失っているのに、恥を知らないとおばあちゃんが言っていた。
おばあちゃんは怒っているけれど、僕には関係ないし、興味もない。
僕が気になっているのは、お父さんとお母さんがいつ戻って来るかだけだ。
戻ってきた時に、直ぐにでも一緒にダンジョンに潜れるようにしておく事だけだ。
「深雪お姉さん、月奈お姉さん、パーティーを抜けたいのだけれど」
僕はおばあちゃんに相談せずに、パーティーを辞める事にした。
おばあちゃんに相談したら反対されるかもしれないから。
「えええええ、待ってよ、何言っているのよ?!」
「私たちが足手まといなのは分かっているけれど、急にどうしたの?」
「冒険者レベルがC級になったら、お父さんとお母さんと一緒に、世界中のダンジョンを潜る約束をしているんだ」
「世界デビュー、うらやましいなぁ~」
「お姉ちゃんは黙っていて、それは何時からなの?」
「お父さんとお母さんが最深部未到達のS級ダンジョンに潜ったままだから、まだ正確な日にちは決まっていないんだ」
「まだ日にちが決まっていないのなら、辞めるのは世界デビューの日が決まってからでいいのではなくて?」
「その時に反対されたら困るから、先に辞めておきたい。
お父さんとお母さんは行動が早いから、1つのダンジョンを制覇したら、直ぐに新しいダンジョンに潜ってしまう」
「私も早くダンジョンを制覇したい!」
「お姉ちゃんの夢は分かっているから、今は黙っていて!
竜也君、私達にも夢があるの、その夢をかなえるためにがんばっているの」
「そうですか、でもお姉さんたちの夢のために、僕の夢は諦められません!」
「分かっているわ、だからパーティーを辞めるのは認める。
その代わり、お父さんとお母さんから連絡が来るまでは残って。
連絡が来たら、ダンジョンに潜っていてもその場で辞めて良いから」
「月奈、あんた何を考えているの?」
「私が考えているのはレベルアップよ、レベルアップさえしておけば、後の調整は私たちだけでもできるもの」
「ものすごく痛いですよ、この前、深雪お姉さんと月奈お姉さんが感じた痛みどころではありませんよ。
それに、3人はどうするのですか?」
「3人に聞いてみて、やる気があるのなら一緒にやってもらうわ。
痛いのが嫌だというのなら、新しく3人組のパーティーを立ち上げてもらうわ。
C級冒険者になった3人なら、独立してもやっていけるわ」
3人の女の子たちが、独立してやっていけるかなんて興味ない。
僕が大切に思うのは、お父さんお母さんと一緒に世界中のダンジョンに潜る事。
世界一のトレジャーハンターになる事だけだ。
「分かりました、3人組でも6人組でもかまいません。
いつ辞めても良いのなら、レベルアップに協力させてもらいます」
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
藤河太郎:これはちょっとやり過ぎではないか?
雷伝五郎:痛みに悶え苦しむ美少女たちの姿はごほうびとも言えるが……
Benno:みゆきファンクラブが竜也君を攻撃するぞ!
藤河太郎:そんな事をしたら、サイレントリュウヤから報復されるぞ!
雷伝五郎:報復はあるだろうが、最初に仕掛けたのは竜也君だぞ。
Rafael:何がどうなっているのか説明して?!
ノンバア:竜也君が5人のパーティーメンバーに連続レベルアップをさせている。
ゆうご:最初から見ていたけれど、理由が分からない。
Benno:5人からの説明があればよかったのだが、説明なしだった。
ゆうご:5人が竜也君に頼んだのなら、ファンクラブが介入すべきじゃない。
Benno:本当に嫌なら断っている。
:無理矢理やらされているなら、竜也をメンバーから追放すればいい。
Rafael:そんな事をしたらパーティーの戦力がガタ落ちだぞ!
Benno:世界中のS級ダンジョンを制覇するのでなければ、竜也君はいらない。
Rafael:そんな!
雷伝五郎:そうだな、日本でアイドルを続けるのなら、もう5人だけで十分だ。
Rafael:それは、そうだろうけれど、なんか嫌だ!
Benno:俺も嫌だが、しかたのない事だ。
藤河太郎:そうだな、竜也君は元々タカラブネファミリーなのだから。
Benno:ああ、そうだ、竜也君に日本のダンジョンは狭すぎる。
Rafael:だったらロシアに来てくれないかな。
ノンバア:政府とマフィアを潰して欲しのか?
ゆうご:いや、さすがにそれは無理だろう。
雷伝五郎:ウワサの中には、昔のロシア政府とマフィアを潰したというモノもある
藤河太郎:そのウワサは俺も聞いた事がある。
Rafael:俺も聞いた事があったから、はかない夢を見ている。
ノンバア:そんな本当かどうかも分からない事より、今は美少女を楽しむんだ!
ゆうご:そうだな、レベルアップ痛に苦しむ美少女、次いつ見られるか分からん。
雷伝五郎:我ら、みゆきファンクラブには、怒りであると同時にごほうびでもある!
Benno:尊い、痛みにもだえる美少女の姿、尊い!
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
作品フォローや⭐︎評価が作者のモチベーションに繋がります。
作品フォローと☆評価をお願いします。
<(_ _)>
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます