第15話:厳しく

 小学生6年生の女の子3人組、桜、葵、ルナの昇級をはばんでいた抵抗勢力は、幹部の不正や犯罪をネットに公開されて解散する事なった。


 自分達の不正が暴かれる前に逃げ出そうとした幹部や中間管理職もいたが、逃げ切る事はできず、徹底的に暴かれて逮捕された。


 彼らの言い分を正しいと報道していた、マスゴミの役員も中間管理職も同じ徹底的に叩かれた


 社会的に抹殺されただけでなく、実刑になって刑務所に入る事になった。

 入札もせずに安価に使っていた電波が入札制になり、会社が倒産してしまった。


 すでに大半の人がネットの方を信用していたので、テレビ局が全て倒産しても、特に誰にも実害はなかった。


 損をしたのは、いや、不当な利益を得る人がいなくなっただけだ。

 もう大企業が、倒産整理に入ったテレビ局の施設を買い取って入札に備えている。


「おめでとう、これで3人もE級冒険者だね」


「全部竜也君のお陰です、ありがとうございます」


 桜はとても小学6年生とは思えないていねいなお礼を言ってくれる。


「ありがとね、竜也、これでみんなと一緒に他のダンジョンに行ける」


 葵も少し照れながらお礼を言ってくれる。


「サンキュウ、リュウヤ、オレイノキス」


「そんなのはいらない、それよりももっと真剣に宝探しに集中して!」


「シュウチュウシテイルヨ」


 ルナは天才肌のせいか、時々集中を切らしてしまう事がある。

 モンスターと戦っている時にはないのだが、隠し扉を探している時に集中が切れてしまう。


 これを直してもらわないと、せっかく金や魔剣が隠し扉の中に有るのに、手に入れ損ねてしまう。


 そんなバカらしい事はないから、厳しく教えてあげないといけない。

 一番良いのは、ルナが開け損ねた隠し扉を、他の誰かが開けた時に、ルナが欲しがっている魔剣が出てくる事だ。


「ルナ、いや、5人に守ってもらいたいことがある」


「なんですか?」

「なに?」

「ホワット?」

「竜也君?」

「とても大事な事のようですね」


「パーティーメンバーは助け合わなければいけない。

 だけど、あまりに初歩的なミスを、不注意で重ねるのは許せない」


「ルナの事が許せないの?」

「そんなに厳しくする事?」

「イノチニハカンケイナイヨ?」

「そこまで厳しくしなくても良いんじゃないかな?」

「パーティーを解散するとは言わないわよね、どんな罰を与える気なの?」


「罰と言うほどの事ではないよ、分配の権利を失うだけだよ」


「分配の権利ですか?」

「罰じゃないなら、好きにして良いんじゃないかな」

「オコラレナイノナラ、キニシナイ」

「なんだ、その程度の事なら好きにして良いんじゃない?」

「ダメだよ、ちゃんと真剣に話し合わないと、何かあった時に殺し合いになるよ!」


 月奈お姉さんだけが、事の重大さを理解していた。

 本当に万が一の事だけれど、10億円を超えるような宝物が出る事もある。

 いや、大容量の魔法袋や高レベル魔剣だと100億円を超える事もあるのだ。


「そんな事が本当に起こるのですか?」

「さすがにそんな事はないでしょう?」

「ウンガナイ、ミオトシタヒトガワルイ、ミツケタヒトノモノデイイトオモウ」

「そうだね、見落とした人が悪いし、運もないと思う、見つけた人の物になる運命だったのじゃないかな?」

「……竜也君がここまで言うのは、ファミリーで実例があったのだよね?」


 不思議な事に、きちっとルールを決めていないパーティーにそういう高価な宝物が現れて、ダンジョン内で殺し合いになる事が多い、とおばあちゃんが言っていた。


 僕たちのパーティーも、ルナや葵が探し損ねた隠し扉を僕が確認し直した時に、とても高価な魔法袋や魔剣が手に入る気がしてならない。


 だから、6人の記録用ドローンの前で約束した。

 だけど、言葉だけでは法律的に弱い、特に未成年だと責任能力がない。


 だからダンジョンを出る前に僕の魔法袋に入れている正式な書面にサインさせた。

 持ち帰って次に会うまでに、両親などの後見人にサインしてもらってくるように、厳しく言った。


 誰かが見落とした隠し扉を、他のパーティーメンバーが確認した時に出て来た宝物は、パーティーで分配するのではなく、見つけた人の物になると!


☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画


豚キムチ:ギルティ、みゆき姫をバカにしやがった、竜也を殺せ!


みゆき命:同意、ネットの力を見せつけてやれ!


Benno:待て、まずは実例を探せ、本当に大切な事かもしれない!


みゆき命:けっ、こんなガキの言う事は当てになるか!


豚キムチ:……認めたくない、断じて認めたくないが……可能性はある。


藤河太郎:そんな話を聞いた事があるぞ。


Benno:あったぞ、ルールを決めていなかったパーティーで裁判になっている!


ノンバア:やはりタカラブネファミリーはきっちりしているな。


ゆうご:俺も見つけたぞ。


Kenneth:ロシアではダンジョンの中で魔剣を巡って殺し合いになっているぞ。


Rafael:やかましい、アメリカではダンジョンの外で銃撃戦になっているぞ!


Kenneth:露助は黙っていろ、ロシアの方が野蛮人だ!


Rafael:やかましい、ヤンキーの方が国民同士で殺し合っている!


雷伝五郎:やかましいのは2人だ、今度こそ管理者に追放させるぞ!


Kenneth:すまん、熱くなり過ぎた、通報は止めてくれ!


Rafael:もうヤンキーの相手はしないから通報は止めてくれ!


Alban:ルールや法律などどうでもいい、みゆき姫の歌と踊りが見たい。


豚キムチ:俺もだ、俺もみゆき姫の歌と踊りをみたい!


みゆき命:バカ言え、三姉妹の歌と踊りだ!


Benno:リクエストするのなら5人にしろ、みゆきに嫌われるぞ!


★★★★★★


 作者です。


 作品を読んでいただきありがとうございます。


 作品フォローや⭐︎評価が作者のモチベーションに繋がります。


 作品フォローと☆評価をお願いします。


 <(_ _)>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る