第2話:初ダンジョン

 ダンジョンはとても危険な所だ。

 少しでも油断したら、ダンジョンが造り出したモンスターに殺される。

 でも、モンスターを戦って倒しても何の得にもならない。


 ダンジョンのモンスターを進んで倒すのは、ネット配信している人か、戦う事が趣味の物好きな人達だけだ。


 昔はダンジョンからモンスターが出てくる事を恐れて、自衛隊がモンスターを狩っていたらしいけれど、41年間モンスターが外に出てきた事はない。


 だから無理にモンスターを倒さなくてもいい。

 トレジャーハンターはできるだけモンスターに出会わないようにする。

 部屋や廊下にできる小さな隠し扉を見つけて宝物を手に入れる。


 僕もダンジョンに潜ってからずっと、隠し扉を探しては中を確かめている。

 普通は浅い層に宝物が残っている事はない。


 でも、とても見つけるのが難しい場所に、とんでもなく高価な宝物が隠されている事もある。


 使い古された仮免許用のダンジョンには、お宝がほとんどないから、上手いトレジャーハンターは来ない。


 だからこそ真剣に探す、見落としがないようにていねいに探す。

 お父さんやお母さんのような凄いトレジャーハンターはほとんどいない。

 並の冒険者が見落とすようなお宝を見つける!


 一番見つけやすいのはアルミニウムのインゴット。

 普通のダンジョンは1kgのインゴットを宝物にする。


 初めて人が入るダンジョンだと、隠し扉を100回開けたら、7つはアルミニウムのインゴットを見るけられる。


 今ダンジョン協会で買い取ってもらうと1kgで200円くらいかな。


 次に見つけやすいのは鉄のインゴット。


 初めて人が入るダンジョンだと、隠し扉を100回開けたら、4つは鉄のインゴットを見るけられる。


 今ダンジョン協会で買い取ってもらうと1kgで60円くらいかな。


 昔は、10回に1回見つけられた宝石が高値で売れたらしい。

 ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドなどがお金になったという。


 でも、ダンジョン時代になって、余りにもたくさんの宝石が隠し扉から出てくるので、今では宝石としてに価値がなくなってしまった。


 それでもしばらくの間は、工業用として1kg30万円くらいで売れていたそうだけど、今では1kg1000円くらいになっちゃった。


 ダンジョンの隠し扉を見つかるお宝で、今でも価値があるのは貴金属。

 金やレアメタルのインゴットが見つかったらお金持ちになれる。


 高校生くらいのお兄さんお姉さんがモンスターと戦っている。

 真っ青な顔をして刀を振り回しているお兄さん。

 少し離れた所から、震えながら槍を突き出すお姉さん。


 記録用ドローンがお兄さんお姉さんたちの戦う姿を撮っている。

 付き添いの人たちも手助けしようとしない。


 配信で人気者になりたいのか、戦闘訓練をしているのだと思う。

 そういう人が多いのだと、潜る前におばあちゃんが教えてくれた。


「おばあちゃん、隣の道を使います」


「分かった」


 見守ってくれているおばあちゃんに予定外の道に行く事を伝える。

 ダンジョンに潜る前は、できるだけ調べて準備しないといけない。


 昨日のうちにどの道順を通って隠し扉を探すのか決めていた。

 予定と違う事をするなら、おばあちゃんにもドローンにも言わないといけない。


 三時間少し、3000以上の隠し扉を開けたけれど、宝物は1つもなかった。


「地下2階に行きます」


「分かった」


 おばあちゃんに背中を守ってもらって地下2階に下りたとたん。


「キャアアアアア!」


★★★★★★


 作者です。


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 <(_ _)>

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