2022 07 22

 今回は、たまには本業の話をします。25年間、画廊を営んでまいりました。最初のうちは、お客さんの求めに応じてお好みの絵画を提供してましたが、そのうち、お客さんの求めというのが何となく分かって来たのです。以前は、お客さんは「自分の好みとか、きれいな風景とか、楽しい絵とか、きれいな花の絵とか」でした。ですが、違いました。お客さんは、本当は「価値が高くなる絵画、値段が高くなる絵画」を欲してました。10万円の絵画を100万円・1000万円になるのがよい絵なのです。

 という訳で、5年ほど前から高くなる絵にシフトしました。すでに高い絵ではありません。これから高くなる絵です(すでに高い絵画となると手が出ませんので)。この25年間「この絵を買ったら高成りまっせ」と言った絵は実際に6割が高くなりました(4割はアウト)。中には、5万円の版画が200倍の1000万円になったこともあります。40万円のアクリル画が2億円なったことも(草間彌生なんかがあります)。しかしながら、悲しいかな、これらの絵は手元にないのです。在庫が一枚も無いのです。全部売るというコンセプトでやってましたので、1000万円とか何億円とかは全くありません。ですから、これからは少しは残してとっておこうと思ってます(ちょっと遅かったかも)。



  さて、本論に入っていきます。「これから高くなる絵はどれなのか」と申しますと、色々ありますけど、今回は、3点ほど検討します。

  まずは、稲垣考二です。シュールレアリスムを基本にした精緻な画法で表現します。昭和会優秀賞を始めとした各賞を総なめにした作家です。今まで、あまりに過激な作品で、要するに一般大衆には受けませんでした。ですが、Art-Netに掲載されてからは事情が違ってます。Art-Netは、ニューヨークとベルリンにある世界的な美術品の仮想マーケット運営会社です。掲載されてから価格は上昇してます。例えば、半年前だったのが、アクリル画10号で10万円だったのか二か月前には25万円、33万円です。最近では、鉛筆画の3号素描で5万円です。これは、ネットオークションで入札が100件以上でした。おそらく、10号のアクリル画で300万円あたりまでは早いと思います(保証はできませんが)。

  次は、森内敬子です。戦後、具体美術協会がありましたが、具体美術協会のメンバーは、殆どが有名になってます。価値も何千万、何億万と桁違いになってるのもいます。森内は最後のメンバーとしてそろそろやってくる感じです。市場には今は作品がありません。多分、ほとんど買われてしまったのか。もしかしたら、草間彌生の様な事になるかもしれません(保証はできませんが)。

  最後に、篠田桃紅です。去年、107歳の天寿を全うされた芸術家、書道家です。三年ほど前に、30万ほどで20点ほど版画を販売しましたが、今現在、100万円前後になっているそうです。あるオークション会社が、「篠田桃紅の作品はありませんか」と訊いてきました。どうも作品が市場から消えてしまっているようです。これも、200~300万もあるかもしれません(これも保証はできませんので悪しからず)。なお、デパート等では、もう既に300万円辺りになっているようで、ほんま、ええ商売しとるわ :lol: 


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