魔法使いの王に嫁入りしたけど、子供を産むのを封印された!?それなら魔法使い博士になって、王と女王とこの国に恩返しします!!

ロワイヨーム・ソルシエール

そこは、魔法使いの国、「ロワイヨーム・ソルシエール」。この国では、三歳から、十一歳まで、「ジュン・マジー」と言う魔法学校に通う。そこで、まずは薬草作りや、山へ行ったときなどに、小魔獣に出くわした時などに使う、防御魔法、「ディフィーサ」。そして、幼くても使える、唯一の攻撃魔法、小魔獣を失神させる、「シンコペ」など、基礎的な魔法を習う。


しかし、子供は、その好奇心から、覚えたての魔法を、悪戯に使いたがるもの。それを、抑える魔法を下校時かける教師が存在する。その教師は、普通に魔法を教える教師とは全く別の資格が必要なのだ。


その職を、「ドクトラ」と呼ぶ。その「ドクトラ」は、「ロワイヨーム・ソルシエール」の国の中で、「ジュン・マジー」の学校では、10人居るだけだ。それは、何故か……。


「ドクトラ」は、『魔力封印』の魔法を使う。幼き子供相手に、いや、只の民にならば、大人であれど、好きなだけ、封印の魔法をかけてしまえるのだ。だから、厳しい筆記試験と、「シコロジア」と言う心の奥深くに、「シジラート」と言う民の魔力を封印できる魔法を、個人的に使えないように、この国の女王、マティルドゥに「コーレプーロ」と言う、『清き心』の魔法をかけられる。


それで、やっと、「ドクトラ」になれるのだ。


しかし、「ドクトラ」より、魔法学校に携わる職で、取得するのが難しい資格が存在する。それが、「ティーム・ディ・スポルト」と「ペルフェット・ドクトラ」と言う職だ。この職二つの資格を取るのは、「ドクトラ」よりも、はるかに難しい。


ここで、新しいこの国の仕組みを理解していただく必要がある。


三歳から十一歳まで、「ジュン・マジー」に通い、卒業した後、国民の道は大きく二つに分かれる。


一つ目は、自分の会得した魔法で、そのまま、薬草づくりを生業として、薬屋を営むもの。魔法で山で獣を捕まえて、肉屋を営むもの。魔法で己の土地に、森を築き、焚く薪を蓄え、冬に薪屋を営むもの。海では、魔法で、一人の獲れる魚や海藻などは、一種類と決まっていて、それを互い互いに、売り買いして、営むもの。


つまりは、この街の一般的な商業を生業とする住民として、平和に暮らす。それが、この国の人々のほとんどだ。


そして、もう一つ、選ぶ者の数は少ないが、する者がいる。その学校の名前は、「エコールド・マジー」と言う、十二歳から、十九歳までが通う魔法学校だ。それに、進むものは、そのほとんどが、「ティーム・ディ・スポルト」と言う、国の支援隊入隊志願者だ。そして、なおかつ、その先に、二十歳から、二十五歳まで通う、「ウニヴェルシタ」と言う、「ペルフェット・ドクトラ」、通称「魔法博士」と言う、更になるのが難しい職になる学校が存在する。しかし、「エコールド・マジー」もそうだが、「ウニヴェルシタ」に入学するのは、そう難しくはないが、卒業するのは、とてつもなく難しい。


まず、「エコールド・マジー」では、七つの高度魔法を会得する事が求められる。そして、自分以外に害が及びそうになった時、その身を挺して、守る。その魔法が、「プロテッジェテレ」と言う。


そして、もしも、どこかの国が侵攻してきたり、戦争になったりした時の為、只の「ドクトラ」と違い、「シジラート」を自由に使えるのを引き換えに、王国を裏切らぬよう、この王国の女王マティルドゥによって、「コーレプーロ」と言う、心を清くする魔法をかけられる。


そして、今や、この王国にたった一人しかいなくなってしまった、魔法博士、「ペルフェット・ドクトラ」になる為には、三つ、自ら新しい魔法を作り出し、それを完璧に使いこなす必要がある。新しい魔法を生み出すと言うが、それは、簡単な事では決してない。天候は魔法ではどうにもならないとされているし、もう、過去の「ペルフェット・ドクトラ」によって、多くの魔法が存在する。それに新たな魔法を加えるのだ。簡単な事ではない。


そして、もう一つ、「ペルフェット・ドクトラ」になるには、女王マティルドゥに『悪の封印』の魔法、「ディストルジオーネ・カッティ―ヴォ」をかけてもらう必要がある。それで、やっと、「魔法博士」、「ペルフェット・ドクトラ」になれるのだ。


それが、この魔法の王国、「ロワイヨーム・ソルシエール」の大体の仕組みだ。


「ペルフェット・ドクトラ」の資格を取るのに、なぜ、ここまでキツイ試練が課せられるのか――……それは、ある、古の伝説に関わってくる。

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