第185話 財宝の鑑定結果
「鑑定結果が出ました」
数日が経ち、俺たちは財宝を置いた部屋に案内されると、鑑定結果について告げられた。
室内には大量のテーブルが並べられ、そこに鑑定を終えた魔導具・宝石類・金貨・その他素材などが並べられている。
財宝部屋でアイテムバッグに入れていた時も思ったのだが、よくもまあこれだけの量があったものだと驚いた。
それぞれの前にはアイテムのランクと、説明文が書かれた紙が置かれている。
手が空いている宮廷魔導師が総出で片付けたらしいのだが、これだけの量をやるとなると相当大変だったことがうかがえる。
「こちらが目録となります」
鑑定を行なったであろう宮廷魔導師が皆に目録を配る。リストになっているにしても種類が多く、目を通すだけで大変だ。
「所有権はすべてルミナス男爵にあります。交渉を持ちかけるのは自由ですが、強引な取引などは控えるようにお願いします」
オリビア王女の言葉に、その場の全員が頷く。相手が王族だけに、頼まれたら首を縦に振らなければならない状況だったはずなのだが、彼女の言葉で俺に選択肢を与えてくれたということだろう。
【ダンジョン財宝リスト】
『SSランクアイテム』……『転移の腕輪』『精霊王の指輪』『真実の天秤』『時空の腕輪』『予言の水晶』『賢者の石』『月の石』『太陽の石』『箱庭』
『Sランクアイテム』……『太陽のサークレット』『月の首飾り』『星屑のマント』『世界樹の種』『ケリュケイオンの杖』『羽根シューズ』『アークデーモンの魔石』
『Aランクアイテム』……『オリハルコンインゴット』『ミスリルインゴッド』『魔水晶』……他多数。
いずれも凄い効果を持つアイテムばかりで、個人では持て余すに違いない。
「クラウス様、魔石を売っていただけませんか?」
そんな中、ルイズ皇女は他のアイテムには目もくれず、早速魔石の売買について交渉してきた。
「その件については、他の方々はどうでしょうか?」
前回、それで揉めたのですぐに返事をするわけにもいかず、皆の意見を聞く。
場合によっては複数人が購入を主張するので揉めることになるかもしれない。
「我が国は辞退するつもりだ」
「うちもよ、他に欲しいものがあると、魔石は優先度が低いわ」
「グランツも同じですな。ここで魔石を買うくらいなら、サイラスに魔導具を作ってもらい、それで国民全体を裕福にするべきと判断しました」
ところが、三国が購入を辞退したのであっさりとユグドラ帝国に取引権が決まってしまった。
俺が不思議な顔をしていると……。
「実は国際会議で話し合いは済んでいるのだよ。余が魔石をどう使うか話したところ、皆快く譲ってくれたのだ」
カーシス皇帝が事情を説明してくれた。
互いの利益の確保が優先の国際会議で、他国に配慮する余裕が生まれているというのは喜ばしい。国家間の関係が良好であれば苦しむ国民が減るからだ。
「そういうことであれば、魔石はユグドラ帝国にお譲りします」
「ありがとうございます、クラウス様」
よほど嬉しかったのか、ルイズ皇女は俺の手を握りしめると華のような笑顔を見せた。
「支払いは現金でいいかな?」
カーシス皇帝がそう告げると、グレイン皇子がケースを開く。そこには輝かんばかりのオリハルコン王札がぎっしりと詰まっていた。
「魔石買い取り金額としてオリハルコン王札を百枚用意した。足りないようなら時間をもらえれば追加で支払わせてもらおう」
オリハルコン王札はこの世界で使われている通貨の中でもっとも価値が高いとされている。オリハルコンを板にして紋様を刻んだ通貨で、古代魔法文明の偽造防止処理がされている。現在の魔法技術では作ることができないのでコレクションとして持つ貴族も存在している。
「オリハルコン王札なんて、初めて見ましたよ……」
あまりの大金を目にして緊張する。
「ちなみに、オリハルコン王札一枚を金貨に換算すると一万枚になる」
「…………一万」
口をパクパクさせる俺に対し、この場の誰も驚いていない。
カーシス皇帝がオリハルコン王札を見せた時も誰一人動じていないことから、国を動かす人間にとってこの程度の金額は問題にならないということなのか?
目の前の一枚で俺の屋敷が二軒買えてしまう。その事実に震え上がる。
「どうだクラウス男爵? 足りるかね?」
「も、勿論です!」
これ以上ないくらいの価格をつけられて驚いていると、カーシス皇帝が確認してきたので頷いた。
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