Day11 飴色

 みずからタイムリミットをもうけた彼の夢。

 その期間、わずか三年。

 でもきっと大丈夫。大切な人からあずかった、わたしと彼のお守りがここにある。澄んだ飴色の石がついている、シンプルなプラチナリング。

 年月を積みかさねるほどに深く澄んでいく、ちいさな石の、長い歴史。


 彼は描く。彼にしかつくれない、透明な色を絵筆にのせて。


 三年目の夏。

 しんと輝くリング。

 どうかお願い。

 彼の夢に飴色の祝福を。


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