断捨離の果て
森本 晃次
第1話 刺殺事件
季節の変わり目でもないのに、まるで夏から冬に突入したかのような異常気象と思しきここ数日は、嵐のような風が吹く荒れた時期を通り越し、すっかり冬の気配が漂っていた。今年は冬が寒いというが、夏も暑かったような気がする。ついこの間夏が終わったと思っているのに、すでに終わってしまうと、かなり古い記憶として時系列が混乱するほどになっていることだろう。
今年の夏は、梅雨が遅かった影響か、いきなり暑くなった。最高気温が三十五度以上という猛暑日が数日続いたような気がしたが、過ぎてしまうと、そんな日々があったという意識があるだけで、それが今年なのか、去年だったのかすら意識がないくらいなのだが、記憶というものが過去になるにしたがって、時系列が曖昧になってしまい、昔に対して、抽象的な記憶としてしか残っていないのではないかと思うようになってきた。
岸本総一郎は、そんなことを考えながら、その日は帰りが少し遅くなってしまったこともあり、普段であれば、駅前の商店街を通り抜けるのであるが、この日は近道をしようということで、線路沿いの公園を通り抜けて帰ろうと思い、普段通らない道であることは重々承知の上で、前を歩いている人の背中を見ていると、
「このままのペースで歩いていると、追いついてしまうよな」
と思いながら、ペースを下げるのだが、気が付けば男の背中がすぐ目の前に迫っているような気がして、一旦立ち止まってみたりする。
すると、急に後ろが気になってしまい、
「誰かに追いかけられているような気がする」
と思い、立ち止まるのも怖い気がした。
今度は、追い抜いてみようと瞬間考えたが、それこそ本末転倒。自分が先頭になるということが一番怖いのだった。追われる立場がどれほど怖いものなのかいまさらながらに感じていた。
最初は、
――どうして追われるのが怖いのだろう?
と考えていたが、影に原因があるような気がしてきた。
歩いていて、前の人間を意識する時、夜の場合は人間というよりも、影の方を意識しているような気がする。
だから、自分が一番前になってしまうと、後ろの人は自分のことを影でしか意識していないだろう。しかも夜のとばりが降りてしまうと、影は街灯によるものとなってしまうので、歩いているうちに、足元からパラソルの骨のように、濃淡バラバラの複数の影を放射状に映し出し、さらにクルクルとまるで遊園地にあるコーヒーカップのように足元から円を描いている。
その意識があるため、影をいったん意識してしまうと、影を無視できなくなってしまう。それは自分の意識というよりも、影が見られているという意識も同じことで、自分が前に見つめる影がないということに、何とも言えない恐怖を感じるのだった。
影を意識している人が果たしてどれほどいるだろうか? 自分で意識するまでは、意識するようになってから考えると、思ったよりも多いのではないかと思うのだが、逆に意識している自分を感じていると、案外と少ないのではないかと逆の発想井至るのはなぜだろうか?
だから今は、影を意識している人はほとんどおらず、意識しているのは自分が知っている人間の中では自分だけではないかと思う。
ただそう思うと、自分の知らない人は結構影を意識しているのではないかと思うのだが、そこに自分が無意識に人を分類して意識しているのではないかと考えるのだった。
真っ暗な中を歩いていると、どうしても気になるのは光であり、ガラスの破片や硬貨のようなものが、真っ暗な中には必ず落ちていて、自分は一度はその光を必ず見るはずなのだが、気が付いていないだけの時が多いのではないかと思えた。それだけ無意識の中に石井があり、その無意識が潜在意識として残ってしまうことで、暗い道を通った時など、その日は夢を見るだろうということを意識しているのではないかと思うのだった。
夜というのは、光を求めるもので、求めた光は夢に繋がる、真っ暗で見えない感覚は、夢というものが、目が覚めるにしたがって忘れていくものだという意識を証明しているかのように思えた。
人の影を、いや、人を気にして歩いていると、自分がどれだけ進んだのか分からなくなる。かなり進んでいるつもりでも、実際にはちょっとしか進んでいなかったり、ちょっとしか進んでいないように見えて、かなり進んでいることを自覚できる時、それぞれある。
前者は、
「百里を行く者は九十を半ばとす」
という言葉が示す通り、かなり進んでいるように見えて、実際には進んでいないという言葉のたとえである。
逆に後者は、前ばかり見ている時、ふいに後ろを振り向くと、まだまだ目的地が見えてもいないのに、かなり進んでいることが分かる。どちらの場合も、実際に進んでいる距離が、自分が感じている全体のパーセンテージからすれば小さいことを示している。実際に進んだ距離に差異がないのであれば、全体像を見誤っているということになる。前ばかり見ていた人が後ろを見て、
「こんなに来たのか?」
と感じるより、その後に前を向いて、まったく最初と意識が変わらず、ゴールがまったく見えないことを思い起こさせられると、そのショックはさらに大きいものだ。
自分がどこまで進んだのか分からなくなるのも無理のないことであろう。
その日は、思ったよりも明るかったような気がする。そんなに何度もこの公園を通り抜けることはないが、最後にここを通り抜けたのはいつだっただろう? 思い返してみると、汗が滲んでいたという意識があることから、まだ夏だったか、あるいは、夏が忍び寄っている間の梅雨の時期だったかも知れない。
風の冷たさは、岸本にとってそれほど辛いものではなかった。暖かかった時期から急に寒くなった時は、身体が反応できず、ものすごく寒く感じたが、一度寒さに慣れたかと思うと、また数日夏のような暑さがぶり返してきて、また寒さが戻ってきても、つい最近まで寒さに慣れたという意識があるから、急な寒さや暑さには身体が反応できるのであった。
ゆっくりと前を向いて歩くという方法が、寒さを一番緩和できる方法のようだ。なるべく背中を曲げて、いかにも寒いという感覚を身体に覚え込ませていると、寒さを覚えている身体は勝手に反応し、さらにその形を自分の中で固めていく。
時間としては、そろそろ十時近くになっていた。さすがに通勤で帰る人が多い時間は、九時前くらいまでであろう。
今の時代は、宴会や集団での行動は自粛体制であったり、会社から禁止されている。
「嫌な時代になったものだ」
と皆が思っているが、この生活自体は慣れてくると、さほどきついものではない。
街の明かりもすっかり夜の街からは消え、一部の不心得者が、用心もせずに我が顔で振る舞っているのだった。
一般市民としては、そんなところに近寄りたくもない。ストレス解消を目的に、飲み会たカラオケに行っていたのだろうが、それも、ストレスを爆発させるのが、
「会社をクビになりたくない」
であったり、
「世間に逆らって、バッシングを受けたくない」
という理由であれば、今のこの時代にカラオケや飲み会を催すことは、それだけで犯罪レベルなのだ。
警察に捕まらなくても、世間からは、白い目で見られ。ネットでは匿名希望で名前が出ないのをいいことに、誹謗中傷のあらしとなり、世の中すべてを敵に回しかねない状況になってしまう。そうなってしまうと、本当に本末転倒ではないだろうか。
しかも、自粛をしなかったことで、伝染病に罹ってしまえば、目も当てられない。会社をクビになることはないが、どこで移されたのかが分からない。
「感染経路不明者」
ということになれば、世間では、
「人に言えないような店に立ち寄ったのではないか?」
という誹謗中傷を浴びてしまう。
そうなると、問題は自分だけではなくなってしまう。避難の目は家族や会社の同僚にも及ぶ、自分と話をしていない人でも、近くにいるというだけで、何を言われるか分かったものではない。
もちろん、誹謗中傷をすることが悪いに決まっているが、そうとばかりも言えない。
要するに、
「自分の身は、自分で守るしかない」
ということになるのではないだろうか。
今の世の中誹謗中傷は犯罪よりもたちが悪い。そのくせ犯罪にならないことが多いのだから、実に理不尽で矛盾していると言えるのではないだろうか。
世の中がすべてそうなのかどうか分からないが、一つ言えることは、
「世の中は矛盾でなるたっている」
ということではないだろうか。
公園の中を歩いていると、ネコが花壇のあたりに数匹いるのが分かった。
なぜ分かったのかというと、岸本がそこを通りかかった時、まるでクモの子を散らすように四匹くらいが、四方に走り去ったのを見たからだ。皆なぜか同じ方向に逃げようとせず、四方に散らばったのか、それが最初は分からなかった。もし、以前同じようなシチュエーションで猫を見た時、ネコたちは、自分からなるべく遠ざかるかのように、自分たちがぶつかるかも知れないのを承知の上で逃げ出していた。今から思えば、同じ猫であれば、本能のようなものがあることで、決してぶつからないということを分かっていたのではないかと思えた。
それなのに、その日は、そんな自分たちすら信じられないかのように、逃げ出した。人間が恐ろしいというよりも、もっと何か、ネコたちにとって、何をしていいのか分からないというような意識に苛まれたのではないかと思うのだった。
「ミャー」
と、そのうちの一匹、一番自分から真正面に向かって逃げていた猫が急に振り返る、こちらに向かって鳴いて見せた。
――何の意味があるというのだろう?
と考え、自分が進む道を猫が示唆しているかのように思えて、何かおかしな気分になっていた。
途中まで猫の足跡を辿るかのように歩いていたが、ネコが途中から方向を変えた。しかも、その方向というのは、道がある方向ではなく、花壇の向こうに向かって歩いていた。
花壇の前にある大きな木のところに気持ちばかりの柵があり、そこを下を潜るようにネコ派、文字通り猫背になりながら、滑り込んでいった。
そして、向こうに抜けた後、ネコ派こちらを振り返り、また
「ミャー」
と鳴くのだった。
まるで自分を誘っているかのような素振りに、ネコが一人の女の子のように思えた。猫のしなやかな動きとその甘えるような素振りに、以前から女の雰囲気を感じていた岸本は、ネコが好きだった。
相手が女という雰囲気ではない限り、決して自分が好きになることはないと思っているだけに、最初はネコを好きになった自分が信じられなかった。
それは中学時代に襲ってきた思春期を思い起こさせ、前の日まではまったく意識していなかった女性に対し、、たった一日で意識してしまうと忘れられなくなった自分が不思議で仕方がなかった。
「怖い」
と感じたほどだったのだ。
元々イヌは好きだったがネコは意識したことがなかった。むしろ、イヌが好きなだけに、ネコは嫌っていたと言ってもいいかも知れない。
「イヌは人間につくんだが、ネコは家につくんだ」
という話を訊いたことがある。
「どういうことだい?」
と聞くと、
「イヌは人間につくので、もし、飼い主が自分を捨てて引っ越していったら、イヌは決してその家に寄りつくことはない。飼い主がいないからだ。しかし、ネコは家につくので、飼い主というか、餌をくれる人が誰であっても、その家にいつも現れるんだ」
と言っていた。
少し話は大げさではあるが、信憑性はあった。その話を訊いていると、ついつい自分というものが、
「ネコ派なのか、イヌ派なのかというとこを考えさせられてしまう」
と思うようになってくる。
自分がイヌが好きだからと言って。イヌ派だというわけではないだろう。逆に違っているから、違う相手に惹かれるということもある。必ずしも似た性格の相手を自分が欲するというわけではなく、互いに足りていない部分を補おうとする気持ちは、それこそ、人間の、いや、動物すべてにおける
「まぐわい」
と同じことを示しているのではないだろうか。
そんなことを考えていると、目の前にいるネコが自分に何かを訴えているかのように思えてきた。
――何を訴えているのだろう?
と、岸本は考えた。
その気になる一匹がどうしても放っておけなくて、岸本は花壇に足を府に踏み入れた。花壇と言っても、冬なので花が咲いているわけでもなく、ただ、芝生のあたりが柔らかそうに見える程度だったが、真っ暗なので、実際には分からない。
ゆっくりと猫の後を追いかけて進んで行くと、そこに何かが転がっているのが見えた。
花壇の手前に、垣根の役割をする小さな気が植えてある。まるで大きな盆栽でもあるかのようなその木は、花壇を覆い隠すかのように綺麗に楕円形に切り取られていて、その向こうは明るくても見えないようになっていた。
岸本はネコを追いかけて、その盆栽のような垣根の手前に来ると、一瞬たじろいだ。その転がって見えるものが何なのか、恐ろしかったからだ。
岸本という男は、まわりからは怖がりではないと思われているようだったが、実際には怖がりだ。どうしてまわりにその意識がないのかというと、なるべく危うきに近寄ることをうまく相手に意識させないように避けていたからだ。
それくらいのテクニックがあることで、人から怖がりと思われないのをいいことに、最初から恐怖スポットは怖い話をする連中に近づかずにすんでいた。
この時は、怖いという感覚はもちろんあった。しかし、それ以上に好奇心が強かったのは紛れもない事実だろう。そんな好奇心は今までになかったはずだし、変に好奇心を持ってしまったことで、気持ちの中で、怖いと感じているものの正体を確かめなければ仕方がなくなっていた。
それを好奇心というのだということを後から気付いたが、その時は素直な感覚だったに違いない。
それは、前を向いても後ろを見ても、どちらにもいけない状態に似ていた。それは、本当に半分まで来ていて、前も後ろも同じ距離に見えたことで、頭の中が混乱している状態を作り出していることに違いはなかった。
そこに転がっているものが、黒くて、鋭利ではないがドンがって見えるものが、真上を向いているということは分かっていた。その真下から、左側、つまり、垣根で隠された方向に向かって、何かが伸びているのを感じた。
「人間の足だ」
ということにはすぐに気付いた。
しかし、なぜそこに人が寝ているのか分からないだけに、そっちの方が怖かった。
酔っ払いが酔って寝てしまったのかと思ったが、これだけの寒さの中では。このままなら凍死しないとも限らない。
ただ、放っておくわけにもいかない。少しだけ考えた岸本だったが、とりあえず警察に連絡をするしかないと思った。ちょうど表に掲示板があり、照明もあったので、そこの端の方に、
「痴漢やひったくりに注意」
というポスターが貼ってあり、警察署の電話番号が書かれていた。
とにかく放っておくわけにはいかないと思った岸本はその電話番号にっ連絡をした。
「もしもし、こちらは駅前公園から連絡をしているものですが」
と岸本がいうと、
「通報ですね。どうされました?」
「公園の花壇のようなところで人が倒れているようなんです。怖くて状況は見ていないんですが、この寒さの中放っておくわけにはいかないと思いますので、どなたが来てくれませんかね?」
というと、
「分かりました。一番近い交番から人を向かわせます。お手数をおかけいたしますが、警官が到着するまで、その場にいていただけませんでしょうか?」
と言われたが。警察に通報した時点で、それくらいのことが覚悟をしていたので、別にためらうことなく、
「分かりました」
と答えた。
十分くらいしてから警官がやってきたが。その間、岸本は、最初に見つけたところから、ずっとその足元の様子を見ていた。もし、目を覚まして起き上がったのであれば、それでよし、と思っていたのだが、ずっと見ている限り、まったく動く素振りはなかった。まるで凍り付いてしまったかのようなその様子に、岸本は次第に気持ち悪さを募らせていった。
それは、それまでにまったく感じていなかった可能性ではなく、最初は。
「まさか」
と思っていたことだが、時間が経つにつれて、次第にその思いが強くなっていった。
その思いとは、
――まさか、死んでいるのではないだろうか?
という思いであり、それは凍死などというレベルではなく、実際の殺人事件ではないかという感覚だった。
自分が警察に連絡をしたのも、もしあのまま放っておいて、翌日になって死体が発見され、自分がその場を通報もせずに逃げたということを誰かに通報でもされれば、自分の立場が危うくなってしまうのは、火を見るよりも明らかだ。
少なくとも一度は報告しておけば、第一発見者という立場にはいられることができる。
ミステリー小説などでは、
「第一発見者を疑え」
という言葉があるが、それはあくまでも被害者と関係のある第一発見者の場合である。
ここで自分に関係のある人が殺されている場面の第一発見者になるなどというのは、あまりにも確率的には低いものだろう。逃げ出すよりも、よほど第一発見者になる方がましである。
警官が二人でやってきたが、
「通報をいただいた方ですね。倒れている人がいるというのはどちらですか?」
と訊かれて、何も言わずに、指だけを刺した。
本当なら声に出して言わなければいけないのだろうが、まったく身動きをしない相手に気持ち悪いという思いを抱いたのと、もう一つはあまりにも寒いので、唇が凍ってしまったかのように声を出せなかったのだ。
声を出せば、まるで氷のようになった文字の塊りが口から出てくるという、まるでギャグマンガのような感じに思えたくらいだ。
二人の刑事は、垣根の左右から、中腰でゆっくりと近づいていた。まるで森の中に潜んでいる熊でも恐れているかのようだった。
「大丈夫ですか?」
と、頭の側も警官が声をかけるが返事はない。
さすがにこれだけ寒い中、眠っているだけだとしても、声を出すことができないくらいに凍えているに違いないからだ。
あと数歩で、男の身体全体が見えてくると思われたその瞬間、二人の警官は、ほぼ同じところで、やはり同じように、
「わっ」
という声を出して後ろにたじろいだ。
「こ、これは」
と言って。今度は走って垣根の向こうに駆け寄り、垣根の向こうで寝ている男を上から覗き込んでいるような体勢になっている。
一人の警官が、胸からたすきにかかっている無線を手に持ち、通報しているようだった。相手は警察署なのだろうが、ハッキリとは聞こえなかったが、その様子が所々は聞き取れた。
「はい、殺人事件です」
という言葉、
「胸を刺されています」
という物騒な言葉が耳に飛び込んできた。
どうしてそれだけ分かったのかというと、警官も興奮しているので、自然と肝心なところは声が大きくなるのだろう。だから、岸本にも聞こえたに違いない。
岸本は、分かっていたとは言っても、最悪だった事態に、どうしていいのか分からず、警官の指示に従うしかないと思えた。
そして、警察署から刑事や鑑識がやってくるまでの少しの間。今度は、三人で待つことになった。
「君は、どうしてこの道を通っていたんだい?」
「飲み会の帰りだったんですが、こっちが近道なので、自然と公園を抜けていこうと思ったんです。商店街もどっちにしても、適度な街灯しかついておらず。人通りもそんなにいないので、近道を通ろうという意識は別におかしなことではないんじゃないでしょうか?」
と、岸本は答えた。
「なるほど、分かりました。ところであなたは、ここから前に進んで、向こうの人を一目でも見ましたか?」
「いいえ、見ていません」
「でも、まったく動いていなかったとはいえ、確認をしていれば、もし寝ているだけなら、救急車を呼ぶとかできたんじゃないですか?」
と言われて、
「ええ、確かにそうかも知れませんが、完全に凍り付いている感じだったし、覗き込むのが怖かったから、警察に通報したんですよ」
と言い訳をした。
しかし、完全に言い訳でしかなかった。冷静になって考えると、自分のしたことを思い出して、後悔の念で、顔を挙げられないほどであった。
相手が死んでいてくれたおかげで、大きな問題にならなかったが、見殺しにしてしまったのだとすると、どうしようもない後悔で、しばらく立ち直れなかったかも知れない。
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