オニヤンマ

しおとれもん

第2話 曇天のせみ時雨

サッチンはまだほとりにしゃがんで水中をいた。

太陽が見えないのに、蝉時雨がピタッと鳴き止んだ。多分、正午に為るんだろう

昨日もだった。

「肝試しする?」

誰かがそんな迷惑な事を唱えたからノリの良い近所の幼馴染が挙って手を挙げた。

この小川は北の山間の細い山道から流れていた。

何気なく見ると山道に上がる石段が6段程有り、階段の見切りに上流から流れて来た川が沢に溜まって沢の許容容積を超えた水が清流となって流れていた。

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