死にたがりの魔法使いと生きたがりの魔法使いのお話

pine卿

1. 『運命的な出会い』のお話

旅人のメリナ

 程よく劣化した街道を、私は歩き続けます。

 今日の夕刻までに、この街道を道なりに沿って進んだ先にある村へと辿り着かなければならないからです。

 当初、一度野宿をして二日で辿り着く予定でした。それを取りやめたのは今朝方に出発した村で、この街道には野獣が頻繁に出現するという情報を聞いたからです。

 そういうわけで、私はお日様からの熱い視線を直に受け止めながら、果てしなく続く街道を歩いています。

 私の名前はメリナ。旅をしているしがない魔法使いです。

 旅の目的は二つ。ある恩人を探すことと、何事もなく老衰死を迎えることです。

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