第22話 下駄の日/『下駄リマインド』

「肩に手をついていて」

鼻緒を直してくれた。

「和装のシンデレラだね」

下駄を履かせてくれた。

歩幅を合わせ、お姫様扱いしてくれる素敵な人。


だけど、思い出すのは……

「浴衣なんか着てくるからだろ」

鼻緒ずれが痛くて歩けなくなった私をおんぶしてくれた、あの日の幼馴染みのことばかりだった。




◆7月22日は「下駄の日」/2023年7月22日作

#140字小説『下駄リマインド』

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