久しぶりベッドの下に彼のピアス

 久しぶり ベッドの下に のピアス


※「さよなら。でも、あのピアス、残念」

「他の所じゃない? あれだけ探したんだから」

「確かに。本棚の裏、見てくれてありがとう。じゃあ」

「……うん」


別れた人は、別れの時、せいせいした、という表情だった。

ただ、お気に入りのピアスがこの部屋に落ちていなかったか、と、それだけは気にしていたが。


……まさか、引っ越し作業中に、ベッドの下から出てくるなんて。


「久しぶりだね」


ピアスが、そう笑っている気がした。

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