第2話 彦星、思いを馳せる。

7月1日。

早起きをした。

今日が一般的にいう,特別な日であるから,という理由もあるが一番は俺の個人的にとても大事なことがある可能性がある日だからだ。


現在,午前4時。

夏がすでに始まっているためか空は,少しずつ明るくなってきている。ベッドの近くにあるベランダへ出ると,心地よい爽やかな風が部屋に流れ込んでくる。

これだけでは,まだ初夏のように感じるが明け方だから仕方がない。空には,まだ星々が輝いている。今日は新月だったのだうか,いつもより一際美しく輝いている。


『あぁ。本当に,星というものは素晴らしい』

星空を見上げ,1人呟いた。

自分でいうのも,どうかと思うが我ながら今の時代には似合わない言い方をしていると思う。


星を見ていると,思い出すのだ。

愛しかった,彼女のことを。


16年待ち続けた。

この日のことを。

やっとたどり着いた。

この日ことを。


やっと,会えるんだ。


今度こそ,上手くやらなければ。


今度こそ,

愛しい,愛しい彼女のことを離すつもりはない。


〖絶対に〗



〖プロローグ☆完〗

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る