高嶺の花が振り向いてくれているようだが、俺にはそんな暇はない
天風 繋
第1章 高嶺の花と医大入学を目指す俺
第1話 高嶺の花と呼ばれる少女
俺の名前は、高橋
高校2年生。
実家は、代々医者の家系だ。
俺も、いつかなりたい。
ならなきゃならないんだ。
だから、俺には時間がない。
勉強しなくちゃならない。
毎日学校へ行って、ゼミに通う。
そんな、俺の毎日。
そう、そんな毎日のはずだった。
灰色の高校生活・・・それが、一変したのは7月21日終業式。
俺の通う高校には、『高嶺の花』と呼ばれている女子がいる。
無口だが、凛としている少女だ。
黒髪ロングで、切れ長な目。
身長はどちらかと言えば小柄で、スレンダーな体型。
そんな彼女、阿藤 雫から手紙を貰ったからだ。
『放課後、屋上で待ってます』と書かれていた。
だが、俺にはそんなところに行く暇はなかった。
今日は、ゼミに行かなくてはならないから。
まあ、高嶺の花が何を考えているかは知らないけど。
俺には、関係のないことだ。
さて、今日も勉強しなきゃ。
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