「平和」#言葉の添え木より


 仲の良いクラスだった

 カラオケも体育祭も

 文化祭も何もかも

 何故か盛り上がって

 私は「おー」と口にするだけ

 あとは他がなあなあにしてくれる

 「Oさんちょっと疲れてる?」

 「ハイテンションが続かない」

 「はは、同じだ。

 でもOさんは最初から疲れてる」

 「ついていけないから」

 「クラスに一人はいるやつだ」

 「わるい?」

 「ううん、安心したよ。私もたまにダメ」

 Yは瞳を流しながら言う。

 「本当にいいのかな~なんて思うから」

 「少し離れれば」

 「それが出来ないんだな、それが。

  私がいることに認識さちゃってるからさ」

 逃げらんないんだよなあ、と呟く

 「上手く逃げる方法教えてよ」

 「一番端っこにいればいい。そして話を振られたら家の事情にすればいい」

 「上手く行く?」

 「私のは本当だから。一人、私のことを知っている奴がいるし」

 みんなに話してるんじゃない? と答えた

 そういえば、という顔でYは私を見る。

 「ずるい」

 「ずるくない、私は幸せだ」

 「もっとずるい。あーあ、お金がなくならない呪文ないかなあ」

 「なにそれ」

 笑ってしまった。遊ぶ度に金がなくなるのだろう

 「あ、笑った」

 「ん?」

 「それ、けっこうすき」

 「どう、も?」

 「うん、好き」

 どうも私とコイツの間は平和だである。

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