友達と復讐

きみとおさる

第1話

ポチッ。


私は、とある人を友だち追加した。

嫌われ者の子だった。

でも私は友達だと思ってる。

部活は同じだけど、クラスは一緒になれない。

一緒になれば助けられたのに。

そんな関係の子だ。


しばらくその子と連絡アプリで話していると、途中でいつもの話題が出てきた。


〈や〜、また今日も罵詈雑言言われましてね〜〉


いじめにはもう慣れてしまったと言っていた。本人は「これいじめなの?」程度だけど、とてもひどいことをされている。日常の罵詈雑言はもちろん、陰口、無駄にちょっかいをかけられたり、ハブられたり、男女問わず彼女を避けている気がする。しかも、一番めんどくさいのは優しい人気取って話しかけている連中だ。相手を戸惑わせるような、その場で悪いことを促すようなノリで関わってくるから嫌いだ。


〈大丈夫?また悩みあったら言ってな!〉


そう送って、私は決意した。

あの馬鹿な連中たちを、どうにかする。


とは言っても、私の垢はバレてる。

私のいない学年グルでバカにされてる。

知らないはずなのに、ファンの人まで馬鹿にされてる。


だから、手始めに学年グルに入ってやる。


友達に頼んで入れてもらうと、想像以上に陽キャのグループだった。さあ、私が入ったことで私のことはいじるのだろうか。小さな実験だ。


3日ほど、待ってみるか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る