ダンジョンやす田 ~田舎のダンジョンマスターが配信はじめました。初心者からマニアまで使えるダンジョン知識を披露したらじわじわと評価されていって経営が捗る
第23話 ダンジョンでもファストトラベルしたい!「テレポーター」を設置する! その方法、石の中に入らないためには!?(お昼ご飯はミノタウロスのホルモン焼き)
第23話 ダンジョンでもファストトラベルしたい!「テレポーター」を設置する! その方法、石の中に入らないためには!?(お昼ご飯はミノタウロスのホルモン焼き)
ダンジョンやす田
はいどーも! ダンジョンやす田チャンネルの、ダンジョンマスターやす田です。
冒険者としてダンジョンに通うのに慣れてくると、入り口から潜りたい階層まで進んでいくのに、煩雑さを覚えてくることがあります。
今回は、そんな中上級者向けに最適な施設、テレポーターを設置してきたいと思います。
それでは、行ってみましょう。
テレポーターとは、ダンジョンの中継地点などに設置される移動装置の総称です。機械的なエレベーターなども、広義のテレポーターと言えるかもしれませんね。
今回、ダンジョンやす田では真理さんお手製のワープゾーンを設置して、テレポーターを開設することにしました。
既に真理さんには、セーフゾーンを各ダンジョンで共有できるワープ扉の制作という実績がありますから、安心してお任せできますね。
真理「いやいや、ダンマスにも手伝ってもらうよ?」
やす田「ああ、うん。もちろん手伝うから」
業務丸投げは許されない、厳しい勤務がダンジョンにはあるのです。
そんなことを言いつつ、各種機材を持って、ダンジョンに入りましょう。
今回は、中層階の密林エリアにある石室をテレポーターにしていきます。密林エリアは屋内でありながら鬱蒼とした樹林に埋め尽くされ、その中に石造りの迷路のような道が走っています。視界が悪いのでトラップに掛かりやすいし、ポップするモンスターには各種の毒を持っているものもいる、突破困難なエリアです。
石室に到達したら、内部のクリーニングをします。床や壁に生えている苔や草を除去して、床面を平滑な状態に近づける必要があります。蒸し暑い空間で地道な作業を続けること、数時間。平衡器で各所を計りながら、その場で真理さんがワープゾーンの調整を始めました。
なんですかね、よく屋外で、作業服で測量してる人がいたりしますけど、あんな気分です。
ワープゾーンの調整が済んだら、設置していきます。真理さんが指定した場所に、軽石で出来たポールや台座を置いていき、その上に模造宝石製のユニットをつないでいきます。
これらの器具は、万一、破壊されたり盗難されたりしても問題のない素材を使っていますが、意図的な破壊や盗難が認められた場合は、警察沙汰になってしまうので、気を付けてください。
はい、設置が完了しました。最後に真理さんが微調整して、起動させると、ポールの間に光が巡って、地面に煌びやかな魔方陣が現れました。魔方陣の中心に光の玉が発生していますね。
真理「よし、起動完了。このスイッチを踏めばワープできるよ」
やす田「じゃあ、やってみましょう」
真理「あ、座標指定に失敗してたらごめんね」
ワープ式のテレポーターは、何らかの拍子に指定された座標とは違う場所に出てしまうことがあります。この時、そこに何もなければ問題ありませんが、そこにある程度の密度がある物質があると、ワープと同時にその物質と衝突することになります。最悪の場合は、物質の中にめり込んで死ぬことになります。そうなると、他のパーティメンバーなどに発見してもらわないと蘇生もできないので、そういった意味では、リスクがありますね。
今回は、真理さんがいますので、おそらく大丈夫でしょう。ちょっとドキドキしながら、テレポーターに入って、スイッチオン。
ポポポポポァーァー
不思議な起動音とともに、光に包まれ、それが止んだらそこは、ダンジョンのセーフゾーンでした。
どうやらテレポーターは正常に起動したようですね。振り返ると、セーフゾーンの隅っこに、ダンジョンに設置したとの同じ魔方陣が出来上がっています。
こっちから向こうに行けるかも試してみましょう。テレポーターに入って、スイッチオン。
ポポポポポァーァー
光とともに、さっきまでいたダンジョンに戻ってきました。
やす田「ちゃんと起動してますね」
真理「やったね。はぁ、緊張したぁ! マスターが壁の中に行ったらどうしようかと思ったよ」
胸をなでおろす真理さん。よく考えたら、ダンジョンの中層から真理さんがソロで帰還するのもちょっと厳しいかもしれないので、ガチで緊張してたみたいですね。
ともあれ、これで中層へ直通のテレポーターが完成しました。
真理さんも、おっかなびっくりしながらテレポーターでセーフゾーンに帰還です。あのー、作った人がそんな具合だと利用者が困るんですけど。
真理「そもそもああいうふわっとした感じのワープが苦手なの! もっとカチッとした扉とかだったら平気なの!」
やす田「あ、ど〇で〇ド〇みたいな?」
真理「そう、〇で〇も〇アみたいな」
昔、妹がエスカレーターに乗れなくて泣き出してしまったことをちょっと思い出しました。
たしかにテレポーターの形式によっては人により得手不得手があるのかもしれないですね。
一仕事終えたので、お昼休憩に入りましょう。今回は、前回梶くんとの討伐でゲットしたミノタウロスの肉がまだまだあるので、ミノタウロスの内臓肉を使ってみましょう。
まず下ごしらえとして、ミノタウロスの大腸、小腸を洗っていきます。肉食性の強いモンスターの内臓肉は汚れが大量に付着している場合が多いので、念入りに洗いましょう。途中、塩を振って揉みこむと、よりきれいになります。
何度も洗っているうちに、水が濁らなくなったら完了です。たっぷりの水を張った鍋を火にかけ、大腸、小腸を入れていきます。……うーん、内臓肉独特の匂いがしますねぇ。
ある程度煮ていると灰汁が出てくるので、そこで火を止めてザルに開け、水に晒します。これで下ごしらえは完了です。
下ごしらえのできたミノタウロスのホルモンを食べやすい大きさにカットして、各自のお好みの焼肉のタレなどで和えておきます。
今回はドワーフ系のセレクトショップで手に入れた『どろどろ岩石ソース』を使ってみましょう。真っ赤に煮えたマグマのような見た目のソースですが、味見してみると、濃厚な香辛料の辛味、麦芽系の甘みとコクがあり、焼肉にはぴったりですね。
梶「岩石ソースはパンに塗って食べるのが一般的」
……うーん、ドワーフ感覚ですね。あとでこっそり試してみましょう。
ホットプレートを用意して、ミノタウロスから採った脂身を焼いて、脂を出していきます。良い匂いが出てきたところで、ホルモンを投入、タレをしっかり絡ませながら、ヘラで返しつつ焼きます。
いい具合に焼き目が付いたら、完成です。
それではいただきましょう。ん~これは、ご飯が、止まらない味です。口の中に広がるホルモンの脂の旨味、後から来る辛さ、それを追いかけるように白米を口に放り込む、これなんだよなぁ!
真理「ん~! ビ、ビール! ビール開けたい」
梶「真理さんすぐ酔っちゃうじゃないですか」
真理「でもこれはもう、ビールだよ」
梶「わかる」
にわか呑んべえと種族呑んべえが意気投合してますね。仕方ないので、冷蔵庫からノンブランドのノンアルコールビールを提供して、満足してもらいましょう。
はい、今回の動画は以上です。最後までご視聴ありがとうございます。
テレポーターの設置、いかがでしたか。ダンジョンやす田のテレポーターは、ダンジョン内から使用して帰還出来た方のみ、利用可能になっています。使用感を確かめてみたい方は、ダンジョン中層の密林エリアの踏破から始めてください。
自分たちはG県M市、T市でダンジョンやす田というダンジョンをやっています。G県には、多彩なモンスターや採取ポイントをもつダンジョンがたくさんあるので、もしG県に来た際には色々挑戦してみてください。
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