夢を見すぎた子羊に。
律 (山村 牡丹)
夢を見すぎた子羊に。
その子羊は、何も知らない。
何も知り得ない。
享受された愛の受け取り方も
ふわふわとした愛の与え方も
その人間は、なんでも知っているのだろうか。
何を持ってして全知全能というのか。
享受されることのなかった愛情の見分け方もできず、
ドロドロとした歪な愛情を消化することさえままならないのに。
その子羊を絞めて、喰らうのが人間であるのは正しいことなのだろうか。
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