【アニメ・特撮感想】2024年冬期
Q.どうして新アニメのレビューに1ヶ月もかかるんですか
A.わんだふるぷりきゅあを待っていたから
尖り過ぎた個性が暴れまわる冬。
どこを見ても個性しかねえ、どいつもこいつも一点突破のパワー型で殴りかかってくる凄まじい冬の嵐が展開されております。中にはとても力が入っているのだが、趣味が偏り過ぎてさすがに守備範囲じゃねえわ……、と泣く泣く切っている作品まで出ている始末で。
いやはや、毎日がカロリー高すぎてアニメ太りしてしまいますな(なんて?)。舌が肥えてハードル高くなりすぎていないか心配になってきます。
ちなみに今期から地上波を卒業し、ネット視聴に鞍替えしましたので、独占配信の類はチェックできません。あとジャンル分けでの紹介もやめます。なんかねもうね、分からん。世間でのジャンル分けは元より自分自身のカテゴリー分類も信じられん。
というわけで紹介順は極めてテキトーに、ノリと勢いでやっていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
・わんだふるぷりきゅあ!
今年もやってまいりました、プリキュア新シリーズ。なんと今回の主人公は『犬』。犬が主人公と言うと最近ではオイやめろお前はこっちくんなルビコンでごすずんとおとなしくしてろお前には友人できただろうが(脳を焼かれた駄犬)。
わんだふるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!
(訳:お前を待っていたんだよ!(レビュー投稿1ヶ月))
例年通り一話から最高の滑り出しとなりました。私がヒープリで復帰してから毎年評価が右肩上がりとなっておりますプリキュア、遂に映画館へ駆り出されたデパプリから、素晴らしき幕引きを迎えたひろプリと、インフレを続ける期待値にさて新シリーズはどうなることかと戦々恐々で迎えた本日この時。
いやあ今回も超えてまいりましたな、わんだふるぷりきゅあ! たった一話の約20分強、されど余すことなく『今期はこういうテーマです!』と見せつけてくれました。人と動物の絆から始まっていく物語、動物の心情が特に強調されていて、ある意味では人よりも純粋無垢な思いが描かれていく演出は一話から涙モノでした(この人また女児アニメ見て泣いてる……)。
ノリとしては、デリシャスパーティとトロピカル~ジュを足して二で割ったような雰囲気でしょうか。王道ありつつも異色に、さりとてわんこ主人公であるが故のちょっとおバカな空気感も持ちつつ。私はよくよくプリキュアを『年クールで見れる日常系魔法少女モノ』などと評しますが、まさしく今期もそのノリで来てくれたなと。かわいいありお笑いあり、そして熱くも涙ありな感じで展開されていくのではないでしょうか。
今後メインとなっていくのだろう人物と動物のキャラ立てもしれっと完璧で、既に常識人被害者枠が確定しているようなポンコツクール娘さんや、デパプリのブラペことたっくんの二の舞にしかならなそうな恋愛不憫系男の子など、活躍が楽しみになる人物が目白押しです。動物枠も、良い意味でおバカわんこなこむぎを始め、あざとかわいい腹黒感垣間見えるにゃんこや、ダウナー感あふれるウサギなど、こっちもこっちで参戦が待ち遠しくなりますな。
さてさて、今年も楽しい一年が始まりました(新プリキュアを元旦みたいに言うんじゃねえ)。何ともにぎやかで楽しいことになりそうな今シリーズのおかげで、私の寿命もまた一年伸びることになります(プリキュアに生かされている……)。というかこむぎの声優さんが長縄さんなんですよね。年通しで長縄さんボイスが聴けるとか今年は最高か? あらゆる意味で最高の幕開けとなった新シリーズ、しっかり見守っていきたいですね。
・魔法少女にあこがれて
プリキュア紹介した直後に持ってくるんじゃねえ(憤怒)。
悪の組織と戦う魔法少女たちにあこがれる主人公の柊うてなが、ある日突然現れた謎の妖精(?)に「君も魔法少女にならないか」と持ち掛けられて……、しかし変身してみたら悪の女幹部になっていた、というお話。
おっ、時々来る正義と悪のコメディ系かな? と思いきや。内容は悪の力に覚醒したうてなが、心の内に秘める「かわいく美しい魔法少女たちを『めちゃくちゃに』してやりたい」という加虐願望を開花させ、魔法少女たちにあの手この手でえろ……ヒドいことをするという凄まじいコンセプトでした。
戦闘シーンは……まあ半分以上が『謎の光』に覆われ、ネット配信のR-15版ですら微妙に修正が入り、完全無修正は円盤で……というところから自ずと察せられるでありましょう。初めは己の欲望に抗っていたものの、徐々にハマり始めタガが外れていくうてなのイカレっぷりも半端ではなく、魔法少女たちに対するアレコレや、なんとしてでも屈服させてやるという怒涛の戦闘シーンはコレもう本職のバトルやエロアニメですら中々見られねえぞ……というクオリティに仕上がっており。
一番恐ろしいのは今年の一番槍だったことなんですよねこのアニメ。初っ端から訳分からないレベルで頭おかしく(褒め言葉)完成度の高い作品が出てしまったせいで、今期見極めのハードルが物凄く高くなるという弊害が……。まあお陰様で、このアニメをある程度の基準としつつも何かしらの要素で比肩しうる良作ばかりが最終的に残っております。
今期を代表する尖り過ぎた個性の先駆者となった本作。ある意味でオオトリを飾ったわんぷりと対極に位置するというか……。いや比べちゃいかんだろうと思いつつ比べるしかねえこの配置に、令和6年の荒れ模様を感じさせますな。
・勇気爆発バーンブレイバーン
ロボアニメ。
以上。その他に私から語れることは何もありません、ええ。何を語ろうとも無粋、この作品の面白さを損なうことしかないでしょう。
ゆえに私から言えることは一つだけ。
見てくれ。
何も言わずに見てくれ。事前情報とか何も仕入れずに見てくれ。私は一話のネタバレをある程度食らった状態で見つつも、なお面白かった。毎話毎話、魔法少女にあこがれて並に困りながら笑いながら視聴しています。つうかなんでこの二作が同じ曜日にやってんだよ。馬鹿じゃねえのか(褒め言葉)。
コレもまた今期を象徴する突出した個性の一作。いやホント、カロリーの高い冬だわ……(げんなり)。
・メタリックルージュ
人間とアンドロイド……否、人造人間という位置付けだったか。二者の関係性に重きを置き、遥か未来の火星を舞台に展開されるSFアニメ。
これまた珍しく、2000年代を彷彿とさせるような重厚にして本格派のガチSF作品。作中において誰にも分かりやすい説明などほぼなく、全ては『見て感じて考えろ』との映像演出によってのみ語られる。ゆえに私ごときから語れることもあまりないのだが……、極めて浅く分かりやすいところから魅力を述べるなら、やはりキャラの良さというところになるのでしょうか。
物語の行く先、人物たちの目指す先、世界や今現在起きている事件の仔細。それらは現時点で一切分からないが、おそらくはその渦中にいるのであろう登場人物たちの魅力は一話からも十全に描かれており、その結末を見届けたいという欲求に駆られる。本当に映像作品として徹底しているというか、細部まで作りこまれていることが手に取るようにわかる作品である。
視聴中は一瞬たりとも目を離せない、ながら見などできるわけがないレベルで完成されていて、コレもまた一個性を貫いた作品のひとつでありましょう。
・戦国妖狐
人間好きの妖狐・たまと、人嫌いな仙道・迅火の『義姉弟』による世直し旅と、その道中で繰り広げられる戦国ファンタジー作品。
コレもまたメタリックルージュと同じく映像演出に特化したアニメである。無粋な説明などほとんどなく、世界観、時代背景、細かい設定は全て映像だけで語られ、本編となる物語は凄まじい速度で展開されていく。なんと一話から実質の前後編二本立て。さすがはプラネットウィズにおいて、1クールアニメながら2クール+劇場版レベルの内容を完走した水上悟志さんの作品と言えるでしょうか。
各人物の生い立ちや目的、心情なども見てりゃ分かる。ゆえにキャラ立ては一瞬で済み、あとはそれが刺さるかどうかの個人的な趣味レベルの判断を残すのみ。私的には人物も物語も設定もきっちりぶっ刺さりましたので、視聴継続となった次第でございます。
今期はこういうストロングスタイルな作品ばかりが残って良いですな。そんなわけで今後に期待しつつの一作でした。
・ゆびさきと
本来の意味で重度の難聴であるヒロイン、雪と、そんな彼女にも自然体で接してくれるヒーロー、
いやあ、どうしてこう、最近の乙女作品アニメって、ヒロインがアホほど可愛いんですかね……。それに対するヒーローもクッソイケメンで、毎回良作を見つけるたびに心の女子中学生がキュンキュン小躍りし始めるんですが(こじらせアラサーが何か言ってる)。
内容としては、音の無い世界に生きる雪と、世界各地を渡り歩く逸臣が、お互いの世界へと少しずつ踏み込んでいく……というところでしょうか。人よりも多くの言語に通じていても、声が届かない、ゆえに伝わらないこともあれば、それ以上に伝えられることもある。異なる世界に住む二人による独特な歩み寄りは、普通の乙女作品とは一味違う異色の空気を持ちつつも、根底には王道の純愛が展開される。
中々に一筋縄ではいかない二人の恋愛模様に、視聴中は画面に目が釘付けとなっております。ことあるごとにかわいいことをしている雪からは全く目が離せず、飯食う手さえ止まってしまうのは困ったやら嬉しいやら。いやはや、今期はこんな作品ばかりですな。
・魔女と野獣
魔法が日常に存在する世界で、悪事を働く魔女をとある目的のために狩る男女二人のダークファンタジー。
ジャンルは違いながらもメタリックルージュや戦国妖狐と同じく、コレもまた映像演出に特化した作品のひとつ。説明など一々せず、見て感じろととにかく映像内に大量の情報を詰め込んでくるストロングスタイル。
なのでやはり私の口から語れることは少なく……、またキャラの行く末や物語の結末を見届けたい欲求に駆られた作品、としか言いようがありませんな。一話で興味を持つことができたなら是非。
・最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。
幼い少女の主人公、アイビーが、スキルの判定によりレベルゼロ、無能のテイマーしかも不吉の象徴とされる結果を出され、故郷を追われたった一人旅に出る、という異世界ファンタジー。
タイトルやあらすじからなろう系のテンプレか……? と思うだろうがちょっと待ってほしい。パッと見に反して、中身はとても王道なファンタジーとして作られている。幼いながら忌み子として故郷を追われたばかりか、肉親からも容赦なく命を狙われるアイビーの境遇は非常に悲惨かつ救いもなく、あるあるなチート能力も一切無し……という難易度ナイトメア仕様。地獄の底で、たった一筋の光に縋りながら生き延びていく。そんな過酷な物語に愉悦を覚えられるクサレ性癖持ちには垂涎の一作である(特大ブーメラン)。
主人公アイビーの可愛さや健気さもさながら、映像演出もとてもよく作りこまれていて、見ているだけで大方の世界観や人物像がしっかりと伝わってくる。冗長になりがちなあらすじなどの説明は極力省かれていて、そこもまたアニメ作品としての完成度が高く感じられる所以だろうか。
今後はおおよそアイビーが報われていく方向に話が動くのだろうが、どう考えてもそう上手く行かねえよなあ……というある種の期待に満ちつつ。今後を追っていきたい作品のひとつです。
・悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~
乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった主人公、ユミエラの物語。
あるあるな導入ではあるがちょっと待ってほしい(またかよ)。そもそもこの主人公ユミエラ、乙女ゲー自体にはさして興味が無い。本筋そっちのけでレベリングをやりこんでいたら、ゲーム開始時点の入学式にはレベルがカンストしていた。前代未聞の最高点到達者に、ゲーム本来のストーリーも崩壊し始め……、という完全なギャグ作品である。
なんだかめちゃくちゃ雰囲気のよさげな乙女ゲー導入から、後半ユミエラがメインを張り始めての一話がコレ。チートレベルの能力もユミエラのイカレた精神性(褒め言葉)も全てがただギャグとして機能しており、もうこの主人公が何かやってるだけで面白い。喋っているだけで面白い。巻き込まれる周囲の人物がただただ不憫である。
またテンプレものかな? と誤解しがちな一話ラストではあったものの、雰囲気とキャラの良さに惹かれて二話三話と見進めていくうちにどんどん味が出てきた作品でした。キャラが動いているだけで面白くて笑える、視聴する魅力は十分にあるものかと。
【再放送、続きモノ】
主に再放送モノ。紹介済みのものしかないので、名前だけ書いて感想は省略します。
・葬送のフリーレン
・仮面ライダー剣|(ブレイド)
・ゾイド -ZOIDS-
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