第26話 海戦PartⅢ

 悠「このまま...何もせず待てっていうのか...」

 俺は雪がもう目の前にいるのに動けないことにうずうずしている


 コロウ「お主が一目散に船にいる恋人を助けに行きたいのはわかる、わしも同じ気持ちじゃ、だが船にはティードがおる」

 コロウ「命が惜しくば、騎士たちが殲滅するまで待つんじゃ」


 クライスは横で剣を天に掲げて力を溜めている


 チャキン...

 クライス「ん...」

 クライスは突然溜めるのを止めて、剣を構えた


 悠「どうしたんだよ」


 コロウ「誰か、来るの」

 クライス「あぁ、来る。飛んで来る。"強いやつ"が」


 悠「な、なんか来るのか...!?」

 俺は拳銃を取り出し、構えた


 クライス「悠、下がれ」

 クライスは俺の前に立ち、剣を構える


 ヒューン


 スタッ


 忍者姿の男と封じの魔女が降り立った


 悠「あ!お前俺の呪い解けよ!」

 ヴェンデッタ「君を狙いに来たんだけど、王様と銃じじいも一緒にいるとはね」


 ジャック「さすがに簡単にはいかんな」


 クライス「いいか、忍者はそこまで強くないが、魔女には気を付けろ、魔法の腕はとんでもないぞ」


 ジャック「俺が強くないだと...?」


 ジャックは二刀流の短剣を構えた


 ジャック「なめるなよ、老害共」


 クライス「私は忍者をやる、コロウは悠を守りつつ魔女をやれ」


 コロウ「無茶を言う」

 ジャック「行くぞ」


 キン!!


 ジャックはクライスに短剣を振ったが、

 クライスは剣で受け止めた


 ジャック「ははっ」


 クライス「この程度か、海賊団の幹部は」

 クライス「ふぅん!!」


 ジャック「うぉぉお!」

 クライスはジャックを左手で掴み、ぶん投げた


 ヴェンデッタ「あなたはステルス向きでしょ、真向からやりあって王様に勝てるわけないわ」


 ジャック「ここに飛んでいくといったのは、貴様だろうが!ヴェンデッタ!」


 ヴェンデッタ「ふふふ、あなたが殺されたら、新しい船長候補が消えてくれるからね、都合がいいの」


 バァン!


 ヴェンデッタ「撃っても無駄よ、お爺さん」

 コロウの銃弾をすり抜けた。まるで影のようだ


 コロウ「ふん、魔女が、お前投影だな」

 ヴェンデッタ「ご名答、本体は船よ」

 にやつくヴェンデッタにむかつくコロウ


 ザクッ!

 ジャックは馬車の運転手の首元を刺した

 ジャック「こっちだぁ!王様ぁ!」

 ジャックは馬車の運転席に乗り、馬車を走らせた


 クライス「乗ってやる、その勝負」


 ダダダダ!


 クライスは馬車と並行して全速力で走った


 悠「まじか、馬車に走って追いつくなんて」

 コロウ「油断するな、来るぞ」


 ヴェンデッタ「呪法ツンドラ」

 ズバァン!


 紫のビームがコロウに向かう


 コロウはそれをすらりと避ける


 悠「オイ!こっちだ!」

 バァン!バァン!バァン!


 俺はいてもたってもいられず、ヴェンデッタを撃った


 ヴェンデッタ「無駄よ、本体は"船"と言ったでしょ?」

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