第17話 攻防

 悠「あ、あぁ...」

 助手席で目が覚めるとひどく体の節々が痛い


 釜野「な、なにが起きた...」


 暗いトンネルの先にはさっきのローブの男二人がこちらに向かって歩いてくる


 釜野「伏せるんだ!」

 釜野は俺の頭を下げた


 悠「おい、応援呼べ」

 釜野「分かってる!」


 釜野は無線機を取り出した


 釜野「至急!新宿のトンネル内にて乗馬の男二人が発砲!爆発物を持っていると思われる!至急応援を求む!」


 俺はポケットから拳銃を取り出した


 釜野「おい!銃刀法違反じゃねぇか!」


 悠「んなこと言ってる場合かよ!次来るぞぉ!」


 男二人は今にも炎を撃ってきそうだ


 俺は少し身をあげて拳銃を構えた


 バァン!


 男「グッ!!」


 男一人の胸に命中し、倒れ込んだ

 男「くそがぁ!」


 もう一人の男は逆上して炎の発射を構えた


 バァン!


 俺はすかさずもう一人の男にも発砲した


 男二人が苦しむ


 俺は二人分の手錠を取り出し、車から降りて、足を引きずりながら男二人の元へ歩いた


 悠「てめぇらなにもんだよ」

 俺はそう言い、拳銃を構えた


 男はローブを脱ぎ


 レガース「俺はレガース、お前は終わりだ...」


 悠「あぁ?」


 レガース「ティード海賊団員を銃で撃ったんだ、船長が黙ってるはずがねぇ」

 悠「じゃあ、てめぇも終わりだよ」


 二人に手錠をかけた

 悠「海賊共の目的は何だ、なぜ俺や雪、子供たちを狙う」


 レガース「ふははは、教えてやるよ。船長の目的は並行世界の繋ぐことの出来る人間に子供を産ませて軍隊を作ることだ」


 悠「あ?軍隊だ?」


 レガース「その世界を繋ぐ能力を持った人間は今世界に3人しか見つかっていない。お前とここに寝そべっているガウスという人間とお前の恋人の雪」


 レガース「俺が海賊団に入ってから、ガウスは船長の仲間だったから経緯は知らんが、ガウスは男だ、子供を産むことは出来ん

 しかしここ最近、雪という女を捕まえて、世界を繋ぐ能力を兼ね備えていることがわかり、もうこれ以上子供をさらう必要がなくなったのだ。まぁ、金は必要だからまだまださらってたたき売ってやるけどなぁ!」


 レガース「お前を今回狙ったのは、お前を拉致して、もしガウスが死んだときの代役として捕まえたかっただけだよ!」


 悠「そのガウスと雪の子供を作らせる気か?」


 レガース「そうだ。わかったか?我が崇高なる船長の計画がぁ!」


 自慢気なレガースの首を両手で握り


 レガース「ぐえぇ」


 悠「いいかチンピラ、言っとくがそんなもんで俺がビビると思うなよ」

 さらに首を握りしめる


 悠「帰ってお仲間に伝えろよ、せいぜい首洗って待ってろってな、この俺を、日本を敵に回すってのがどれだけやばいことかよく考えとけ」


 悠「お前らは、俺が必ず一人残らずバラバラにしてやるからなぁ」


 レガース「ひぃ!」

 レガース「エスケープ!」

 そう叫ぶと、寝そべっていたレガースとガウスが忽然と消えた


 悠「は?あれも魔法の一つなのか?」


 ウォーン


 パトカーの群れがやってきた


 悠「くそ...おせぇよ、無能共が」

 そういうと、俺はまた意識を失った

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