第236話 復活
それから更に五日後。
先生からもう大丈夫とのお言葉を頂いた。
違和感があったらすぐに来るようには言われたが。
俺がランニングやら練習を始めると、うるさかったマスゴミはすぐに居なくなった。
しかもマナーが悪い。とにかく悪い。うちの練習場内にポイ捨てがあった時はビビったね。
監視カメラに映ってたので、速攻抗議して出禁にしたらしいが。ってか、今回の事で面倒だなと思った所は全部出禁にしたらしい。
校長先生が張り切ってやってくれました。ほんとあの人は先生にしておくのが勿体無いくらい良く出来た人だ。いや、ああいう人だからこそ先生になるべきなのかね。
で、これを機会にオープン状態だったうちの練習場には入り口に警備員の詰所を建てる事になって、常駐してもらう事になった。
まぁ、許可さえ貰えれば普通に入れるんだけど。出禁にした所以外はね。
「違和感は?」
「特に無し。ボールは常に触ってたしね。感覚が鈍ってるって事もない。むしろ暫く投げてなかったから、肩が軽いくらいだ」
テーピングしてる間は軽いランニングに体幹、柔軟ぐらいしかしてなかったけど、ボールは触ってたからね。
タイガに受けてもらって久々に投げてるけど、特に問題はなさそうだ。
「あー投げれるって幸せ」
「それ、一二三の前で言っちゃダメだよ」
「おっと」
その後も各球種の感触を確かめつつ、投げてたんだけど思わず出た本音にタイガから注意を受けてしまった。確かにこの言い方はよろしくないね。
気にしてない風の一二三少年だけど、実は内心メンタルズタズタかもだしね。
一応、輝夜さんに練習中は気に掛けてもらったり、ミズチや他の一年にも注意して見てもらうようにお願いはしてる。
それに万が一の事も考えて一二三少年のご両親にも父さんが話をしに行ってるしね。
これ以上マスゴミが酷くなると家凸もありえたから。まぁ、その前に騒動は終結したっぽいが。
「まぁ、もう終わった事をいつまでも言わなくてもよろしかろ。外野は放っておいて、自分のレベルアップに力を入れさせてもらうぜい」
「この前のツーシームだっけ?」
「そうそう」
ちょっと前から思い付きで練習してる速度を落としたツーシーム。
まぁ、スクリューみたいなもんなんだけど。
あれを夏が始まるまでにものにしたい。
高速チェンジで味をしめちゃいまして。
レオンにも初見はとりあえず通用したし、後は練度を上げていけば更なる武器になるんじゃないかと。あんまり多投はしないと思うが。
「フォームがなぁ。なんか違和感あるんだよ」
「いや、もうこれツーシームの投げ方しなくて良くない? 無理にそこに拘ってるから違和感があるんだと思うよ。普通にスクリュー投げようよ」
「あ、そうか」
言われてみればそうだな。
何故かツーシームと同じ握りでどうにか速度を落とす事に固執してたけど。普通にスクリュー投げれば良いのか。タイガ君賢いね。
で、投げてみた訳だが。
「センスないね」
「ないな」
全然コントロールは定まらんし、キレもない。
ひょろひょろとしたクソボールにしかならん。
俺ちゃんにスクリュー適性がないみたいだ。
まぁ、ツーシームとスクリューは別モンだしなぁ。パワプ○みたいに変化球ポイントを貯めて、ポンと簡単に覚えれるシステムを導入してくれ。
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