第4章 秋の戦い
第68話 蹂躙
「おおー。観客多いなー」
「まだ2回戦なのにねー」
「偵察っぽいのもいっぱいいるな」
「そりゃ、1回戦をあんな勝ち方したらね」
10月に入り、秋季大会本戦が始まった。
龍宮高校は1回戦の東大洋南を27ー2の五回コールドで破り2回戦に進出している。
「控えメンバー中心だったのに圧勝だったね。滅茶苦茶弱いってチームじゃないはずなんだけど」
相手もブロック予選を勝ち上がって来た訳で極端に弱くはないのだが何故か打線が爆発した。
「初回で相手エースが折れちゃったのがね。次に出て来たピッチャーも流れを止められなかったし」
まあ、手加減しなかったのは良い事だったんじゃないかな。
たとえ、相手にトラウマを植え付けても。
手を抜くなんて失礼だし、控えメンバーはアピールをするのに絶好の場だからね。
どれだけリードしても、大振りはしないし必死に走る。
案外レギュラー組も刺激になったのではなかろうか。
「今日も、1回戦と同じスタメンでいくで。油断せんとしっかり勝ち切ってこい」
☆★☆★☆★
『いや〜松浪さん。龍宮高校は1回戦に引き続き2回戦も打線が爆発しましたね』
『そうですね。先制された時は面白い試合展開になるかなと思ったんですが』
『龍宮高校は現在、左右の両エースが怪我で試合に出られない中、大浦君が先発でした』
『1回戦も先発してましたね。専門は外野手だと思うんですが、タイミングの取り辛い投手ですね』
『前回と今回で2失点ずつ。本職じゃないと考えれば及第点でしょうか?』
『龍宮高校の投手事情が苦しい中で良く投げていると思います』
『打つ方では、3本塁打を含む8打点。龍宮高校は1年生の活躍が多いチームですが大浦君も頭角を表してきましたね』
『そうですね。ニューヒーローのこれからの活躍に期待しましょう』
☆★☆★☆★
お疲れ様です。
2回戦も16ー2と無事突破しました。
「大浦の暴れっぷりがやばい」
「なんかコツ掴んだかもっす!」
1回戦では2本、2回戦は3本のホームランを打って絶賛覚醒中の大浦。
ピッチャーをすると相変わらず点を取られるが、本格的にバケモノ化してる。
まだ強豪校のエース級と当たってないから完璧に安心は出来ないけどね。
「結局、金子は投げてないし3回戦は金子先発かな」
「三松学舎だから油断は出来ないけどな」
1回戦と2回戦は、両方とも大浦が先発してコールド勝ちしたので金子の出番が無かった。
俺もほぼ投げれるぐらいにまでは復活してるけど金子に任せられるなら任せたい。
大浦に引っ張られて、金子も大分成長してきてるしね。
「ほな、帰ってミーティングするでー。次の三松学舎のビデオも撮ってきてあるし、しっかり対策していこか」
チームの地力が上がって来てる感じがしてきて、凄く良い感じ。
このまま秋季大会突っ走りたいね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます