第15話 日常の日々


 GW合宿が終わり、中間テストも終わって高校生活にみんな慣れてきた。

 俺も野球部以外にも友達が出来たりして順風満帆と言っても過言ではない。


 「俺があれだけ教えて赤点ギリギリってどうなってんの?」


 俺とレオン以外のウル、タイガ、隼人、マリンが赤点ギリギリだった。


 「授業をちゃんと聞いてれば最低平均点は取れると思うのだが」


 レオンが呆れた様に言ってるがこいつは地頭がいいのか教科書を読んだだけで応用までできる。

 こいつこそ、転生してんじゃねぇの?


 「お前とパンは授業すら聞いてねぇじゃねぇかよ! 授業中ずっとモンスターバウンドやってるの知ってんだぞ!」


 いやぁ、運極作るのに忙しくて。

 最近ガチャ運も良いんだ。

 乗るしかない、このビッグウェーブに!



 ワイワイがやがやと喋りながら部室に向かって本日も練習を行う。

 しかし、俺は最近まともに練習出来ていない。

 成長痛、オスグッドとかいうやつである。

 この大事な時期に厄介なのにあたってしまった。

 走ってると膝辺りが痛むし、ピッチングなんて持っての他である。

 座って上半身だけで投げたり、家に帰ってからプール等で体は動かしているが、正直いつ終わるか分からないので中々不安である。

 長ければ年単位の時間がかかるらしいし。

 夏が終わっちまう。

 まぁ、ここで焦っても仕方ないのでピッチャー陣の魔改造に勤しんでいる。


 三井先輩は最高球速が上がり、チェンジアップも抜ける球が無くなってきた。

 普通にプロに行ける素質があると思う。


 吉見先輩はこれといった特徴のない人だが中堅校なら文句なくエースである。

 どの相手でも最低限の仕事はしてくれるピッチャーである。


 同期の金子は得意のカーブに更に磨きがかかり、俺がナックルカーブを教えたことで益々カーブマスター化していってる。

 だがまだまだ線が細い事もあり、球速は120後半といったところ。

 現時点では十分だと思うけど。




 そして俺は今、マリンと一緒に吹奏楽部にお邪魔している。

 今まで龍宮高校は吹奏楽部の応援が無かったのだ。

 まぁそこまで強い訳でもなかったし。

 しかし高校野球といえば、吹奏楽とチアリーディングである! 異論は認めない。

 という事で、応援のお願いに来た次第である。

 まぁ普通にOKを貰った訳だが。

 吹奏楽部も高校野球の応援というのは特別なものらしい。

 ならなぜ今までしなかったのか、謎である。

 チアにもOKを貰い、応援体制は万全である。


 後は、俺に「甲子園に連れてって!」と言ってくれる彼女がいれば100点満点。

 いないのである。

 自慢では無いが俺は中学時代から結構モテた。

 まぁ、下心がみえみえな奴もいたが。

 俺は俗物で女性が好きであるがハーレムを築きたい訳ではなく、彼女を取っ替え引っ替えしたい訳でもない。

 彼女になったらそのまま結婚まで突っ走りたいのである。

 だから周りから見たら奥手に見られてるのかもしれないがそんな事はない。

 大きなおっぱいがあればついつい目がそこに釘付けになるし、健康的な足やお尻はとても良いものである。


 「男好きと思われてんじゃないの?」


 「それはお前のせいだろうがよ!!!」


 こいつは高校に入っても薄い本の布教をやめていない。

 寧ろ、同志が増えて拍車がかかっている。


 まさかこいつのせいで運命の人と出会えていないのでは?

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