第24話 確認


 『ヴァンパイア・オリジン (男爵)

  名前  レト・ノックス

  【異能】

  魔眼Lv3 (解析)

      (魔力視)

      (遠見)

  【魔物能力】

  血液魔法

  音魔法

  影魔法

  眷属化 (0/5) 』



 「ふむ。訳がわからん」


 上から順番にいくか。

 まずはオリジン。

 オリジナルって事?

 もしかして、この世界にヴァンパイアっていないの?

 俺、ヴァンパイア・クイーンとかに会うのを密かに楽しみにしてたんだけど。

 絶対美人さんだよね。

 銀髪金眼で一人称は妾。

 これ、鉄板でしょ。オッドアイでも可。

 俺が始祖って事はヴァンパイアは他にいない訳で。

 まあ、始祖ってなんか嬉しいから良いか。


 「男爵。俺しか居ないのに男爵とはこれ如何に」


 爵位持ちのヴァンパイアとかもありがちだけどさ。

 なんか、浅はかだよね。

 急いで作りましたみたいな?

 まだ進化がありそうなのは嬉しいけどさ。

 初めての事で神様的な人も慌てちゃったのかな?

 なら、仕方ない。


 で、1番の問題は名前よ。

 名付け親は誰? 神様?

 流石に、頭が狂ってると自覚してる俺でも畏れ多いよ?

 神様に喧嘩売るほど馬鹿じゃないし。

 これは素直にお礼を言っとこうかな?


 「どうも。神様。素敵な名前をありがとうございます」


 とりあえずこれで良し。

 自分で名前付けようと思ってて、結局ずっと忘れたまんまだったから丁度良かったです。


 「レト・ノックスって洒落た名前だよね。意味あるのかな? ノックスはなんかの神だったような? あれはノクスだっけ?」


 無神論者だった前世が悔やまれるな。

 図書館でも、そっち系の話は意図的に見ないようにしてたし。

 なにせ、前世は俺的に救われなかったので。


 まあいいや。

 名前も出来て一人前になったと思おう。



 それから【魔眼】ね。

 何故か、Lv2をとばしてLv3になってるのはともかく。

 魔力視はめちゃくちゃ欲しかったから素直に嬉しいよね。

 これで【音魔法】も見えるようになった。


 「ほえー。こんなに無駄があったとは。恥ずかしい限りです」


 自分では、魔力操作は中々の熟達してると思ってたけど全然だった。

 魔力の流れが歪みまくってる。

 これはまだまだ練習が必要だな。

 身体強化なんて、どれだけ魔力を無駄にしてたか。

 伸び代があるとポジティブに考えよう。


 そして遠見。

 これはちょっと慣れるのに時間がかかりそう。

 ピント合わせが難しい。

 っていうか酔う。

 これも要練習だな。

 これが使いこなせれば、かなり遠距離から魔法をぶち込める。

 俺は見えてる所にしか魔法を使えないのでかなり有用だと思う。

 距離に応じて相応に魔力を消費するけど。


 「こんなところかな。ちょっと休憩しよう」


 俺は盗賊からかっぱらった煙草に火を付ける。

 この世界って煙草あるんだね。


 「どう、妖狐? ハードボイルドだろ? ゲホッ! ゲホッ!」


 初めて吸ってみたけど、なんだこれ?

 なんで地球ではこんなの吸ってる奴がわんさかいたんだ?


 「キュン…」


 なんか妖狐が呆れてるけど気にしない。

 俺は今世はハードボイルド系ヴァンパイアになるんだ。

 今さっき決めました。ゲホッ! ゲホッ!


 「んんっ! さて、気を取り直して最後の一つ眷属化だな」



 んー?

 まあ、あれか。

 部下にするって事かな?

 俺の血を飲ませると契約が成立して眷属になると。

 無理矢理飲ませてもいいのかな?

 え、こわい。

 命令には逆らえず、時間が経つ毎に忠誠心が芽生えてくるだって。

 一種の精神操作じゃん。

 これ、俺も気を付けないと未知の精神攻撃とかあるかもしれんな。


 ふーむ。

 今の所5人にしか使えないみたいだし、使い所は良く考えないといけないな。


 「そーれ! 取ってこーい!」


 「キュンキューン!」


 俺は盗賊の生首をボール代わりに放り投げる。

 うむ。

 妖狐も健康に育ってきとるな。

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