猫莫迦上等！

尊野怜来

蝉時雨のらにゃん露子ゴロゴロと軒下に居る温いしあわせ

暗闇の黒いガラスが纏わせた猫の翼が見えた気がした

囃子聞く蚊取り線香けむり追い足下温くＳ字描く猫

夜哭いて飲んで狂ってしゃがんで泣いて外猫露子、背中佇む

夜型の廃人さえも朝型に変えちまうとは待ち猫強し

芝刈りだ虫が出る前シャキシャキとしゃがんだ尻に猫くっつけて

見えないが花びらだけで桜来る拾って載せよう猫の額に

言ったのさ受胎告知のような日にキャットウエアを着込みなさいと

わたくしの猫のママちゃん逝きました晩秋のそら青い朝です

梅雨の日に湿気ったみどり押し分けて帰っておいで露子ママちゃん

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